<アンタレスS>◇15日=阪神◇G3◇ダート1800メートル◇4歳上◇出走16頭
11カ月ぶりの実戦だったグレイトパール(牡5、中内田)が重賞2連勝を飾った。鞍上・川田将雅騎手(32)に導かれ、直線で力強く前をとらえる快勝。骨折休養明けでも1分49秒8の好時計で走破し、力の違いを見せつけた。これでダートは6戦6勝。さらなる大舞台へ夢をふくらませた。
力が違った。スタート直後、最内枠のグレイトパールは押し込められる形で中団の位置取り。川田騎手のリードで向正面から徐々に前へと進出し、4コーナーでは先行勢を射程圏に入れた。いつも通り、終始エンジンをかけながらの競馬だったが、直線ではきっちりと前をとらえた。「いい雰囲気で上がっていけました。最後は本質が出てくれましたね」。鞍上はあらためて地力をたたえた。
皐月賞に出走予定だった僚馬ダノンプレミアムの回避により、中山で騎乗予定だった川田騎手とのタッグが決まった。今回は骨折休養明けで、11カ月ぶりという大事な復帰戦。レース前から「まずは無事に」と繰り返していた鞍上は「無事に終わったのが何よりです」と勝利はもちろんだが、無事に走り終えたことを喜んだ。中内田師も「ここまで、そんなに簡単ではなかった。みんなの努力があってここに来られた」と安どの笑顔を見せた。
デビュー4戦目、3歳の10月にダートを主戦場としてから6連勝。今回で重賞は2連勝となった。久々を感じさせない完勝に、中内田師は「能力は高い」とあらためて評価。今後は馬の状態を見て検討されるが「賞金を持っていないので使っていかないといけない」と、まだ立ったことのないG1舞台へ、まずは目の前の1戦1戦で勝負していく構えを示した。馬名の由来通りの「素晴らしい」馬へ、まだまだ強さを見せ続ける。【辻敦子】