日刊スポーツ新聞社制定、日本中央競馬会が協賛する17年の「中央競馬騎手年間ホープ賞」に、藤田菜七子騎手(20=根本)が選ばれた。デビュー2年目の昨年は1年目の6勝から、14勝に勝ち星を伸ばし、JRA女性騎手の年間最多勝記録を20年ぶりに更新。初のメインレース勝利も飾った。18年はG1騎乗を目指し、女性騎手の知名度向上に努めていく。

 菜七子は着実な歩みで歴史をつくった。1年目は6勝。2年目の17年は14勝と勝ち鞍を倍以上に増やし、JRA女性騎手の年間最多勝記録を更新した。新記録となった12勝目は10月21日新潟の飛翼特別。10番人気ベルモントラハイナを得意の直線競馬で1着に導き、初のメインレース優勝で記録に花を添えた。「たくさんの馬に乗せていただいて勝つことができましたが、まだまだ取りこぼしていたレースもあるので」。謙虚な姿勢はいつも通りでも、ターフでは大きく成長した姿を見せた。

 少女から大人になった1年でもあった。昨年8月9日に20歳の誕生日を迎え、1つの誓いを立てた。「みんなに愛されて、目標とされる騎手になりたい」。地方、海外には相当数の女性騎手がいるが、JRAには1人だけ。女性騎手の道しるべになることで、新たな競馬界の門戸を開こうとしている。「海外にも遠征させてもらって、女性騎手がたくさんいる環境も見てきたので。日本でももっと増えればいいな、と」。

 大きな希望を胸に、夢広がる1年にしたい。仮に17年と同様のペースで勝っていけば、年内にもG1騎乗が可能となる通算31勝以上が見えてくる。増沢由貴子元騎手が持つJRA女性騎手通算最多勝34勝超えも十分可能だ。「今の積み重ねの先に、記録を超えられたらうれしいです。機会があればぜひG1にも乗ってみたいです」。デビュー当初からあえて勝利数の目標を設定しないのは、1鞍、1勝を大事にするため。多くの馬との出会いを成長につなげる。

 最後にホープ賞の賞金50万円の使い道を問われると、少しの間を置いて照れくさそうに言った。「馬具・・・、ですかね。意外と鞍って高いので、新しいのを買おうかな」。18年も競馬一筋。上だけを見続け、さらなる飛躍を求める。【松田直樹】

 ◆藤田菜七子(ふじた・ななこ)1997年(平9)8月9日、茨城県守谷市生まれ。小6の時にテレビの競馬中継を観戦し、騎手を志す。特技は格闘技で、弟の付き添いで始めた空手は小6で黒帯(初段)。中学時代は剣道部に所属し2段の腕前。16年3月5日の中山2Rでデビュー。同4月10日福島9Rでサニーデイズに騎乗し、JRA初勝利。JRA通算676戦20勝。

 ◆中央競馬騎手年間ホープ賞 02年に設立。その1年間で顕著な成績を示し、好成果を挙げた騎手を表彰する。G1や重賞の成績、勝利数などを参考に選出。選考委員(関東)は岡山俊明(レース部長)沢畠功二(同次長)高木一成(同次長)水島晴之(同参事)山田準(中央競馬キャップ)。受賞騎手には賞金50万円が贈られる。表彰式は1月6日、中山競馬場で昼休みに行われる。07年から関西地区(日刊スポーツ西日本本社主催)でも選出。

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