来月10日にシャティン競馬場で行われる4つの香港国際競走に参戦する外国馬の第1陣が火曜日、オーストラリアから到着しました。 

 しかし、この飛行機に乗っていたのはG1メルボルンCを終えて、G1香港ヴァーズを目指して転戦したアイルランドのマックスダイナマイト(メルボルンC3着)、フランスのティベリアン(同7着)の2頭。オーストラリアの馬は乗っていませんでした。

 そもそも、今年の香港国際競走には常連のオーストラリア勢が1頭も参加しません。なぜ、こんな異常事態が起きたのか。それは、香港ジョッキークラブが中国本土の広州に新設されたトレーニングセンターでの調教を開始するのを前にして、オーストラリアの農水省(農業・水資源省)が9月に発動した香港からオーストラリアへの輸送を制限する禁輸措置が壁になっているからです。

 馬の輸送の場合、それぞれの国同士で動物検疫協定(家畜衛生条約)が締結されていなければなりません。日本馬が世界の競馬に出られるのは、行き来する互いの国で伝染病などの病気を出さない、持ち込まないことを前提とする信頼関係が構築されているからです。

 オーストラリア側の言い分は、中国との検疫協定がなされていない以上、そこに足を踏み入れた香港馬の入国は安全が確認されるまで規制をかけるというもの。

 当分はオーストラリアの馬が香港で競馬をすることは許可されず、逆に香港の馬がオーストラリアに入る場合はニュージーランドなど第三国での180日間の滞在が求められます。「一時的な措置」とは言うものの、事実上の香港との輸出入停止措置であることは明白です。

 オーストラリアに移籍して現地のG1を2勝したトーセンスターダムも香港国際競走への参戦を熱望していましたが、結局この壁に阻まれて泣く泣く諦めたようです。

 これはオーストラリア馬だけに適用されるもので、メルボルンCなどに出走するためにオーストラリア入りした他国の馬は何の問題もなく、香港で競馬を使ってから母国に帰ることが出来ます。

 今年の香港国際競走は4つのG1競走に28日現在で54頭が出走を予定していますが、米国馬も1頭だけと国際色は薄まり、日本馬(8頭)と欧州馬(20頭)を交えた3つの地域の対抗戦の様相になっています。【奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)

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