【シャンティイ(フランス)29日=太田尚樹】日本代表サトノダイヤモンド(牡4、池江)が不運の外枠に入った。枠順抽選が現地28日(日本時間29日未明)に行われ、18頭立ての13番枠に決まった。ゲート番13番は過去10年で【0 0 0 9】(07年は12頭立て)。希望していた内枠を逃し、池江師は「運がなかった」とこぼした。僚馬サトノノブレス(牡7)は5番枠、大本命エネイブル(牝3、英国)は2番枠となった。

 フランスの競馬専門テレビ局「エキディア」からバッドニュースが流れてきた。スタジオからの生中継で行われた凱旋門賞の枠順抽選。女性ジャーナリストが引いたカプセルの中にあった番号は「13」だった。池江師は視線を落とし、包み隠さず感想を口にした。

 池江師 もう少し内が欲しかった。欧州のレースは(馬群が)だんごになって枠のまま(外へ)振り回される。凱旋門賞は枠と馬場に大きく左右される。運がなかったと言うしかない。

 希望の内枠はかなわなかった。抽選前の段階では「真ん中より内が欲しい」と願っていた。凱旋門賞では例年、レース当日に仮柵が外され、インコースに馬場の荒れていない“グリーンベルト”が出現する。今年のシャンティイでも土曜まで内ラチから12メートル地点に仮柵が設置される。内枠有利は定説だ。

 欧米で不吉とされる「13」はデータ上からも喜べない。過去10年で7着が最高(昨年のみシャンティイ、あと9年はロンシャン)。勝ち馬は66年ボンモーまでさかのぼり、以後、半世紀も勝てていない。

 もちろん、まだあきらめてはいない。シャンティイで初めて開催された昨年は、1~3着を2桁枠番の馬(<12><11><16>)が占めた。ルメール騎手も前向きに受け止める。

 ルメール騎手 少し外かなとは思いますが、スタートするのが馬場の真ん中なので、うまくいいポジションがとれると思うし、悪くない番号だと思います。

 シャンティイ芝2400メートルでは、スタート直後に緩やかな左カーブがあり、最初の勝負ポイントになる。インへ潜り込むのは不可能ではない。馬場によっても変わってくる。決戦の地を知り尽くす鞍上は「去年は良馬場で内が有利。1、2、3着の馬が内から来た。重馬場なら内でも外でもチャンスはある」と指摘する。悲願達成へ与えられた試練。名手の手綱さばきで、歴史の扉をこじ開ける。

 ◆日本馬の凱旋門賞挑戦 69年スピードシンボリ(着外)から昨年のマカヒキ(14着)まで、のべ20頭が挑戦。最高着順は99年エルコンドルパサー、10年ナカヤマフェスタ、12、13年オルフェーヴルの2着。ダイヤの父ディープインパクトは06年に3位入線、失格。

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