<きさらぎ賞>◇5日=京都◇G3◇芝1800メートル◇3歳◇出走8頭

 「出世レース」はアメリカズカップ(牡3、音無)が制した。未明からの雨を含んだ重馬場で、好位から早めに抜け出す競馬で快勝した。松若風馬騎手(21)にとっては、初のクラシック騎乗へ楽しみが膨らむ勝利となった。東京新聞杯はミルコ・デムーロ騎手(38)の好騎乗でブラックスピネル(牡4、音無)が重賞初V。東西重賞を制した音無師は、JRA重賞通算60勝目となった。

 3コーナーの下り。アメリカズカップの松若騎手は、直後にいるサトノアーサーよりワンテンポ早いタイミングで仕掛けた。鋭く加速し直線で一気に先頭へ。この時につけた後続との差を余裕で保ち、ゴールを駆け抜けた。勝利の瞬間、左手を軽く握った鞍上は「重馬場だったこともあり早めに仕掛けた。馬場を苦にすることなく、よく走っている」と馬場を味方につける好騎乗。同馬でクラシック初参戦の可能性も高まり「今後が楽しみになった」と笑顔を見せた。

 レース前に発表された馬体重マイナス12キロに、音無師は首をひねった。「ダンビュライト(3着)の体重を減らそうと思って調教していたが、アメリカズカップがこんなに減っているとは思わなかった。心配だった」。だが、終わってみれば、これまで以上に強い勝ちっぷり。朝日杯FSは出遅れて9着に終わったが、好スタートを切ったレースに限れば3戦3勝だ。

 出世レースを制し「結果的に体重減も良かったのかな。器用なレースができるし皐月賞(G1、芝2000メートル、4月16日=中山)も合っていると思う」と、師は早くも1冠目を見据える。今後は流動的だが、まず体重を戻すことを優先する。

 きさらぎ賞の表彰式直後に行われた東京新聞杯も同厩舎のブラックスピネルが勝った。「こんなこともあるんやな」。JRA重賞通算60勝の節目を飾った音無師の笑顔が、曇り空の下で輝いた。【岡本光男】

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