日刊スポーツ新聞社制定、日本中央競馬会協賛の「中央競馬騎手年間ホープ賞」は、デビュー年に45勝を挙げ、最多勝利新人騎手となった木幡巧也騎手(20=牧)が選ばれた。16年ぶりに誕生したJRA女性騎手の同期藤田菜七子騎手に話題が集まる中、コンスタントに勝ち星を積み上げた。来年はさらに飛躍を目指す。

 デビュー年を全力で駆け抜けた木幡巧騎手は、同期最多の45勝を積み重ねた。関東のジョッキーがJRAの最多勝利新人騎手賞(87年制定)を受賞するのは99年北村宏司(37勝)、08年三浦皇成(91勝)に続き3人目。関西の13人と比べると高いハードルを乗り越えたことになる。

 ホープ賞受賞の報を聞くと、精悍(せいかん)な顔がわずかにほころんだ。ただ、現状には満足していない。「技術などはまだまだです。足りない部分だらけ。それでも乗せていただいた先生やオーナーに感謝しかありません」と表情を引き締めた。

 快進撃の始まりは3月27日中山1Rのモンサンアルナイル。4角先頭の積極策で、JRAのレースでは同期一番乗りの勝利を挙げた。この日は3Rでも勝利し1日2勝。「初勝利を自厩舎の馬で勝てたのが一番うれしかったです。あれで気持ちが楽になった面もありました」。自分の中で何かが変わった日だった。

 師匠の牧師は愛弟子に積極的にチャンスを与えた。自厩舎での勝利は、全体の3分の1以上にあたる17勝。強力バックアップをしたトレーナーは「よく勉強している」と研究熱心さを認める。また、現役騎手最年長51歳の父初広はベテラン騎手として毎週のようにレースビデオを一緒に振り返り、アドバイスを送った。その父は「次男坊で子供の頃からちょっと変わったことをする子だった。自由なところは今も変わらないね。でも、騎手は悩んでばかりいても仕方ない仕事。切り替えが早いのはいいところ」。息子の受賞を自分のことのように喜んだ。

 飛躍を期す2年目に関しては「まずは今年の数字は上回りたい。前の年より下がるのはやっぱり嫌ですから」と負けず嫌いの一面を見せた。重賞制覇、G1騎乗・・・。数字を上げるとともに、中身を濃くしていく1年が待っている。【高木一成】

 ◆木幡巧也(こわた・たくや)1996年(平8)5月9日、茨城県生まれ。今年競馬学校騎手課程を卒業し、3月にデビュー。美浦・牧厩舎所属。父は初広騎手(フリー)。兄は初也騎手(鹿戸)。初年度のJRA成績は637戦45勝。今月20日には、日本プロスポーツ大賞新人賞(公益財団法人日本プロスポーツ協会制定)にも選ばれた。来年3月は弟の育也君がデビュー予定。

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