<京都大賞典>◇10日=京都◇G2◇芝2400メートル◇3歳上◇出走10頭

 淀の鬼や! G1・2勝馬キタサンブラック(牡4、清水久)が、2番手からしぶとい伸び脚で秋初戦を飾った。これで京都はG1・2勝を含む3戦3勝。同レース11年ぶり8勝目の武豊騎手(47)は、4日に80歳の誕生日を迎えた北島三郎オーナーへ最高のプレゼントを贈った。この後は予定通り、ジャパンC(G1、芝2400メートル、11月27日=東京)→有馬記念(G1、芝2500メートル、12月25日=中山)で古馬の頂点を目指す。

 落ち葉色の勝負服が、淀の下り坂を一気に下る。キタサンブラックは、走り慣れたコースのように楽々と加速。直線で逃げたヤマカツライデンを楽にかわし、いつものしぶとい伸び脚を発揮した。アドマイヤデウス、ラブリーデイが脚を伸ばしてくるが、武豊騎手の右ステッキにこたえて押し切る。着差は首差でも、まさにキタサンブラックの真骨頂だ。12戦目にして初の1番人気に推されたG1ホースが、きっちりファンの期待にこたえた。

 「この馬らしい勝ち方でしたね。後ろから来たら来たで、また伸びそうな感じでした。首差だけど完勝です」と鞍上は白い歯。これで京都大賞典は05年リンカーン以来11年ぶり8勝目。自身3レース目の同一JRA重賞8勝をマークした。人馬とも得意の舞台とはいえ「春の天皇賞馬として負けられないと思っていた」と重賞5勝目にホッと胸をなでおろした。

 北島三郎オーナーとの約束も守った。5日は芸道55周年記念パーティー「感謝の宴」に出席。4日は80歳のバースデーでもあり「誕生日プレゼントと約束していたので、勝てて良かった」。オーナーは8月下旬に自宅で転倒して頸椎(けいつい)症性脊髄症と診断され、現在は療養中。「誕生日も迎えていたので、何とか結果を出したかったです」と清水久師は笑み。オーナーから贈られた勝負服と同じ柄のネクタイを身につけ「本当にスゴい馬」と何度も愛馬をたたえた。

 最高の形で秋の始動戦を終え、待ち受けるのはG1連戦。当初の予定通りジャパンC→有馬記念へと進む。「(本番はオーナーに)ぜひ競馬場に見に来ていただきたい」と師。また元気な歌声を響かせてほしい。武豊騎手も「練習しとかなきゃ」と気合十分。ファンもそんな楽しい“リサイタル”を待ち望んでいる。【平本果那】

 ◆武豊騎手V8 武豊騎手は05年にリンカーンで勝って以来、京都大賞典最多勝を更新する8勝目(2位は池添騎手の3勝)。JRA同一重賞8勝は阪神大賞典、札幌記念に続く自身3レース目となった。

 ◆天皇賞・春優勝馬の同年京都大賞典制覇◆ 77年テンポイント、90年スーパークリーク、91年メジロマックイーン、00年、01年のテイエムオペラオー以来15年ぶり6回目。

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