【シャンティイ(フランス)3日=木南友輔】日本馬初制覇の期待を背負ったダービー馬マカヒキ(牡3、友道)はまったく見せ場をつくれず、14着に沈んだ。クリストフ・ルメール騎手(37)、友道康夫調教師(53)とも首をひねる敗戦。一体、マカヒキに何があったのか? 2分23秒61のコースレコード決着を制したのはアイルランドのファウンド(牝4)。現場で生の声を取材した。

 今年の凱旋門賞はアイルランドのオブライエン厩舎が1~3着まで独占する歴史的な結果となった。マカヒキ惨敗はショックが大きい。皐月賞2着、ダービーを制し、世代を代表する日本のトップホース。負担重量の軽い3歳での挑戦。現地のステップレース(ニエル賞)を快勝し、万全の状態で出走と条件はすべて整っていた。敗因を探りたい。

 ◆馬場 日本馬が何度も苦しめられたロンシャンより走りやすいとされたシャンティイ。春にエイシンヒカリがイスパーン賞を制し、地元のディープ産駒も結果を出している。ニエル賞を制したマカヒキに合わなかったと考えるのは間違い。管理するヴァンサン場長は「ファストトラック(硬い馬場)ではなく、グッドトラック」と説明する。

 ただ、この日は土曜までの仮柵が外され、ラチ沿いが圧倒的に有利な馬場だった。序盤1、2Rは2歳のマイルG1で勝ち時計がいずれも1分35秒台と速く、先行抜け出し、逃げ切りが決まった。ワンフットインヘヴンに騎乗し6着だったC・デムーロ騎手は「マカヒキはアウトサイド(外)を走らされたのがすべてでは」と指摘する。

 陣営が道悪を熱望していたシルジャンズサガが4着に激走し、実績最上位ポストポンドは好位の外から失速して5着。マカヒキは直線勝負の脚質。スタート直後の接触もあり、外枠の不利を克服できなかった。

 ◆展開 オーダーオブセントジョージ(3着)はスタート直後にただ1頭、馬群から離れ、徐々にインへ切り込んで2番手を確保。その隣にハイランドリール(2着)。2列後ろで脚をため、抜け出すタイミングを図っていたのが同じオブライエン厩舎の優勝したファウンドだった。デットーリ騎手、オブライエン師はともに「タクティクス(戦術)だった」と認めた。仮にマカヒキを誘導する馬が出走していれば、14番枠という不利を覆す作戦を立てることができたのかもしれない。

 ◆状態 日本馬が2着に入った4回はいずれも現地の前哨戦を走り、マカヒキもニエル賞を勝った。「状態は良かった」という声も多かった。だが、栗東とは違い、不慣れな外国での調整。日本の大手生産者と太いパイプを持つフランスのあるエージェントは「エイダン(オブライエン師)の馬がスキニー(締まっていた)だったのに対し、太かった。勝つには、ニエル賞の後にハードトレーニングを課すべき」と指摘した。

 日本の競馬界にとって凱旋門賞制覇は悲願でもある。「それはよくわかります。凱旋門賞は本当に勝つのがディフィカルトな(難しい)レースですから」。2度目の勝利をつかんだアイルランドの天才調教師の言葉に重みを感じた。馬場、展開、状態など多くのマイナス要素が重なり、14着という厳しい現実が待っていた。

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