今夏の函館開催フィナーレを飾る函館2歳S(G3、芝1200メートル=24日)で、ダイワメジャー産駒のロイヤルメジャー(牝、山内)が、世代最初のタイトルを奪いにいく。担当の榊原洋一厩務員(52)は03年フィーユドゥレーヴ、12年ストークアンドレイで同レースを制した経験を持つ。「2歳の山内」といわれた同厩舎を陰で支え続ける職人が「勝負飯」で挑む。

 「勝利の方程式」はすでに頭に描かれている。ロイヤルメジャーを担当する榊原厩務員が、自身3度目へ、自信を持って愛馬を送り込む。かつて「2歳の山内」といわれた同厩舎は、このレースを過去3度制しているが、そのうち03年フィーユドゥレーヴ、12年ストークアンドレイの2頭を担当していたのが同厩務員。勝ち方を知っているベテランが2頭を引き合いに出し、勝負気配を口にする。「ストークのパワーにフィーユドゥのスピードを兼ねそろえている。自信は90点・・・、95点はある」と気持ちを高めた。

 初戦は楽にハナを奪うと危なげなく押し切った。前走後、放牧に出さず函館競馬場で調整。日を追うごとに毛づやがピカピカになり好仕上がりをみせるが、ここに秘策が隠されている。この道37年。経験がものをいう世界で独自の理論をもとにカイバに“スパイス”を配合した「スペシャルメニュー」を与え、愛馬の成長を促してきた。

 「人間に良いものは馬にも良い」と話し、大根、キャベツを食べやすいようにわざわざすりおろしてカイバに混ぜる。さらにバナナも5、6本をちぎって入れる。12年に勝利した当時から手間暇かけて与えているいわば「勝負飯」。食物繊維を取ることで腸が活性化し、新陳代謝を良くする狙いがある。「この食事に変えてから毛づやが良くなった。何がいいか分からないが、皆と同じことをやっていては駄目。やれることやっていく」とファイティングポーズは決して崩さない。

 函館をこよなく愛している。母喜久子さん(84)が函館出身で幼少の頃から何度も訪れた。厩務員になっても二十数年通い続ける特別な場所。勝ちたい理由がここにもある。「思い入れある函館で勝ったら(母も)喜んでくれるだろう。二度あることは三度あるよ」。勝負師が歩く競馬道は、その先につながっている。【松末守司】

 ◆榊原洋一(さかきばら・よういち)1963年(昭38)8月24日、京都府生まれ。父が厩務員をしていたこともあり、79年に橋本正晴厩舎で厩務員に。89年の開業から山内厩舎ひと筋。04年には重賞4勝馬パーソナルラッシュで米国のBCクラシックにも挑戦(6着)した。

 ◆函館での山内厩舎の2歳新馬戦 函館開催が北海道シリーズの前半戦に移行した97年以降、新馬戦の成績は【23 9 8 12】。勝率44・2%、連対率61・5%、複勝率76・9%。芝に限っても【15 8 8 9】で勝率37・5%、連対率57・5%、複勝率77・5%といずれも高い数字を示す。函館2歳S(旧函館3歳Sを含む)は、03、12年の他、94年にダンツダンサーで制している。2着も97年(サラトガビューティ)、04年(ディープサマー)の2度ある。

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