藤田菜七子騎手(18=根本)が、関西初登場で落馬負傷した。園田競馬に6日、初参戦。2鞍目の7Rでクリノエベレスト(牡6、西脇・橋本明)で2着入線後に落馬。担架で医務室に運ばれ、「左下腿(かたい)打撲」と診断された。痛みが引かず、予定していた9、10Rの騎乗は取りやめた。幸い軽傷とみられ、今週末は福島での騎乗を予定している。

 大歓声が一瞬にして、静寂とざわめきに変わった。園田の名物アナ・吉田勝彦氏の心配そうな実況が、場内に響く。

 「菜七子ちゃん、大丈夫でしょうか・・・」

 藤田騎手がこの日、4R(8着)に続いて騎乗した7R。3番人気のクリノエベレストは向正面で10頭立て9番手からまくって差し切るかに見えたが、惜しくも首差の2着。豪快な追い込みで場内を大いに沸かせたが入線後、馬が左手前のまま1角を曲がらず外に逃げた際にバランスを崩して藤田騎手は落馬。その際に左足を痛めた模様だ。

 担架で医務室に直行後、しばらく経過を見たが痛みが引かなかったため9、10Rの乗り替わりが発表。場内で「左下腿(かたい)打撲」と診断された。医務室から職員に両脇を抱えられながら移動したが、調整ルームの階段は自力で上がった。病院には向かわず美浦への帰路についた。

 関係者によると落馬直後に「痛い、痛い」を連発しながら、騎乗をまっとうできず、悔し涙を見せていたという。藤田騎手は広報を通じ「楽しみにしてくれていた関西のファンの方に申し訳ないですし、4つのレースに騎乗できなかったことが残念です」とコメントを残した。

 “菜七子フィーバー”に沸いた6日の園田。来場者は通常の2倍以上の5058人に、テレビクルーを含めた報道陣も大挙押し寄せた。パドック周辺に1000人近くが集結する、さながら民族大移動の様に警備員も「ありえないです」と目を丸くしていた。大阪府豊中市の女性は「ちょうど8Rから来たので、1回も菜七子ちゃんを見れずじまいでした。でも、また関西に来て園田を盛り上げてほしい」と願った。

 ちょっぴりほろ苦かった“関西デビュー”。多くのファンが再登場を待ち望んでいる。【中西典章】

 ◆藤田菜七子騎手の落馬 4月13日の船橋10R(ハナリュウセイ)で発馬直後に落馬。ただ、額の擦過傷のみで11Rには騎乗した。中央では4月23日の東京1R(エレナバレー)で落馬。右上腕三頭筋損傷などの診断を受け、その後の6鞍を乗り替わった。

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