<ジャパンダートダービー>◇8日=大井◇統一G1◇ダート2000メートル◇3歳◇出走13頭

 クリストフ・ルメール騎手(36)が手綱を取った2番人気ノンコノユメ(牡、加藤征)が、直線で豪快に差し切った。勝ちタイムは2分5秒6。鞍上も絶賛する自慢の末脚でG1初制覇。前走のユニコーンSに続く重賞連勝で、3歳ダート界の頂点に立った。2着に1番人気のクロスクリーガー、3着には東京ダービー馬ラッキープリンスが入った。

 ノンコノユメの末脚が大井の夜に花開いた。逃げるクロスクリーガーが外から迫るラッキープリンスを突き放し、独走態勢に入ったのもほんの一瞬。大外からルメールに導かれた緑の帽子が伸びてくる。「ノンコちゃん、いつも直線ですごい走る。今日は1600メートルから距離が延びたけど、同じ加速でした」。デビューから7戦すべてで最速上がりをマークしてきたが、初のナイター、不良馬場、2000メートルも問題にしなかった。上がり3ハロン37秒3は2番目に速いクリーガーを1秒4も上回る異次元の数字。残り100メートル、並ぶまもなく先頭へ立つと、ゴールでは2馬身半も突き抜けた。

 先月末に急死したトワイニング産駒で初めてのG1制覇。周囲をうならせる勝ちっぷりに、加藤征師も「直線半ばまではいつもヒヤヒヤするけど、そこからこの馬の動きになった。想像を絶する走りをしてくれますね」と笑った。注目の今後については「ずっと使ってきたので休ませたい。まだ成長の余地があります」と話す。前走のユニコーンSから2週間あまりで臨んだこともあり、このまま古馬との戦いが待つ秋に備えることになりそうだ。

 先週、初参戦だった福島でラジオNIKKEI賞を制したルメールは、ジャパンダートダービーも初騎乗初制覇となった。「気持ちいい。ダートであれだけの脚を使う馬はいない。日本一の馬」。降りしきる雨を浴びながらも、ノンコノユメの走りに最後まで夢心地の表情だった。【木南友輔】

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