<ダービー>◇5月31日=東京◇G1◇芝2400メートル◇3歳◇出走18頭

 1番人気ドゥラメンテ(牡、堀)がレースレコードの2分23秒2で2着に1馬身3/4差をつけ、史上23頭目となる皐月賞、ダービーの2冠制覇を成し遂げた。今年3月にJRA騎手となったミルコ・デムーロ騎手(36)は、03年ネオユニヴァース以来のダービー2勝目。堀宣行調教師(47)はうれしい初勝利となった。秋は3冠か、それとも凱旋門賞か。良血馬の未来には、無限の可能性が広がっている。

 大歓声のウイニングランでミルコは何度もドゥラメンテに抱きついて喜んだ。「前は外国人騎手でした。今年はJRA騎手でうれしい。この馬すごい強い。夢みたい」。照り付けた太陽のせいだけではない。3月にJRA免許を取得したイタリアンは興奮と感動で顔を真っ赤にし、ひと言ひと言に自らの思いを込めた。

 ゲートが開いてからプランを組み立てるのがミルコの流儀。ミュゼエイリアンの逃げにも慌てなかった。1角から2角、向正面までは折り合いに専念。「ちょっと引っ掛かって、ちょっとぶつかって危なかった。初めての2400メートル。でも、直線はすごい脚だった」。中団の外をキープし、4角で前を射程に入れた。満を持してゴーサインを出すとはじけるように先頭に立ち、最後はサトノラーゼン、サトノクラウンを従えるようにゴールした。曽祖母ダイナカール、祖母エアグルーヴがオークスを制した府中2400メートルで、圧倒的な強さを見せた。

 直線入り口で膨れた皐月賞の荒々しいレースぶりとは違い、残り300メートルで先頭に立つ横綱相撲。04年の父キングカメハメハ、05年のディープインパクトのレースレコードを0秒1塗り替えた。登録のある凱旋門賞について問われると「オーナーと先生が決めること」としつつも、「日本馬がまだ勝ってないので勝ちたい。能力はある」と力強く応えた。世界を意識したくなる、底知れぬ強さだった。

 周りの人をハッピーにさせたいという気持ちを忘れない。ペンを持つ習慣のなかった男が夢の実現へ2年間懸命に日本語を勉強し、JRA免許を取得した。「1番人気でうれしい。でも、プレッシャーも1番」。12年前、ネオユニヴァースで制したときは緊張で右の頬に吹き出物が出来たが、今年もレースの前日は眠れなかった。それでも金曜の夜、母ラファエラさんから「(弟の)クリスチャンがイタリアダービーを勝ったから今度はあなたの番」と励まされた。母国の家族、ファンの声援を力に変えた。

 プレッシャーに打ち勝ったヒーローは「朝まで飲みたい」と笑いを誘った。史上最強馬への道を歩み出したドゥラメンテ。その横にはJRAを代表する騎手へと駆け上がるミルコ・デムーロがいる。【木南友輔】

  1. ニッカンAI予想
  2. 16年ぶりJRA女性ジョッキー藤田菜七子まとめ