外国人初のJRA騎手として1日に“デビュー”予定だったクリストフ・ルメール騎手(35)が、前日夜に阪神競馬場の調整ルームでツイッターを使用したとして30日間(開催9日間、1日から30日まで)の騎乗停止となった。この日の6鞍はすべて乗り替わりで、ダービー馬ワンアンドオンリー(牡4、橋口)で臨む予定だったドバイシーマC(G1、芝2410メートル、28日=メイダン)の騎乗も不可能となった。

 晴れ舞台となるはずの1日が暗転した。雨の阪神競馬場にルメールの姿はない。ターフビジョンには外国人初のJRA所属騎手として乗る予定だった6頭の乗り替わりが表示された。30日間の騎乗停止。昼休みの新人騎手紹介セレモニーも欠席で、JRAを通じ謝罪のコメントを発表した。

 ルメール 今回は私の不注意で皆様にご迷惑をおかけして、本当に申し訳ありません。

 問題の行為があったのは前夜だ。JRAはこの日朝7時ごろから本人に事情を聴取して「調整ルーム内において、携帯電話の電源を入れておいたところ、知人からのツイートが入り、同騎手がそれに対して2回リツイート(転載)した事実を確認した」と説明した。内容は激励の言葉を転載しただけだったが、調整ルームでは外部との通信は厳禁。競馬施行規程第147条19号の「公正確保について業務上の注意義務に違反した」とされた。

 処分により“デビュー”は早くとも4月4日以降となった。海外のドバイシーマCではワンアンドオンリーに騎乗予定だったが、主催者側の判断によるとはいえ、事実上不可能となった。JRAによると、ルメールは「うっかりしていた。100%、自分の責任」と反省しきりだったという。昨年11月に落馬して右脛骨(けいこつ)を骨折。試験勉強とリハビリを並行して復帰を間に合わせ「150勝したい」と意気込んでいた。他の騎手からは「日本で何度も乗って(ルールを)分かってるはずなのに」という声も聞かれた。

 JRAでは11年に大江原騎手が同様の違反を犯した後に騎手クラブと協議して、調整ルーム内に暗証番号式のセーフティーボックスを設置して携帯電話を預けるよう取り決めた。外国人騎手に対しても、短期免許交付の際に毎回必ず指導していたという。ただ、運用は自己管理に委ねられていた。庄村之伸裁決委員は「再発防止のため周知を徹底しないといけない。(騎手クラブと)再度、話し合いを持たざるを得ない」と改善に努める考えを示した。【太田尚樹】

<過去のツイッター使用による騎乗停止>(日付は処分発表時)

 ◆11年5月15日 4年目の大江原圭騎手が同日京都での騎乗前日に調整ルームで携帯電話を使用して「誤ってリツイートした」。30日間の騎乗停止。

 ◆13年7月3日 新人の原田敬伍騎手(14年に引退)が、6月29日中京での騎乗前日に調整ルームで携帯電話を使用して「友人のツイートに複数回返信」していたことが判明。30日間の騎乗停止。

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