メイケイエール同着Vも課題大きい/チューリップ賞

チューリップ賞1着同着となったエリザベスタワー(左)とメイケイエール(撮影・白石智彦)
チューリップ賞1着同着となったエリザベスタワー(左)とメイケイエール(撮影・白石智彦)

<チューリップ賞>◇6日=阪神◇G2◇芝1600メートル◇3歳牝◇出走12頭◇3着馬まで桜花賞優先出走権

1番人気メイケイエール(武英)と3番人気エリザベスタワー(高野)が1着を分け合った。JRA重賞での1着同着は19年フィリーズR以来。メイケイエールは重賞3勝目、武豊騎手は35年連続のJRA重賞制覇。3着ストゥーティ(奥村豊)までが桜花賞の優先出走権を獲得した。

   ◇   ◇   ◇

不安と底力と示す勝利だった。最内枠メイケイエールはスタートをゆっくり出る作戦のはずが、思わぬ好発を決めた。中団最内で武豊騎手が懸命になだめるも、頭を左右に上げて抵抗した。制御が利かず、課題の折り合いがつかない。3角では抑えるのを諦め、先頭に立って直線を向いた。序盤のスタミナロスもなんのその、内からエリザベスタワーに並びかけられるともうひと伸びし先頭を譲らなかった。

重賞3勝目にも鞍上に笑顔はない。「勝つには勝ったんですが、いい勝ち方ではなかった。次へ向けてかなり課題が大きくなったかなと思います」。最終追い切りでも見せていた悪癖を克服できなかった。武英師は「よく勝ったなと。スタートを出るなら、本番は無理に控えずに正攻法(の競馬)をするかもしれない。何とかします」と悩ましい表情のまま、桜花賞を見据えた。

一方、エリザベスタワーは前走9着から巻き返した。先行集団を見る形で好位のラチ沿いを進み、直線で内からメイケイエールに迫った。1度は先頭に立ったが最後は再び並ばれた。

大舞台への切符こそつかんだが、外にもたれるしぐさも見せた。川田騎手は「雰囲気は良かったんですけど、追い出すとだいぶ流れながらになりました。かなり前に進めないまま、直線を走り続けていました」。中間はハミを替えるなど工夫を凝らしたが、課題の完全克服とはならなかった。「素質は高い馬ではあるんですけど、コントロールがとても難しい。精神面がより成長してきてくれるというところが一番です」と期待を込めた。

 [2021年03月07日 06時10分]

3歳馬特集一覧

一覧へ