4連単買える!ポーランドで競馬してきました

手前からビール席、コース、街の遠景
手前からビール席、コース、街の遠景

突然ですが、ポーランドで競馬が開催されているのは知っていましたか? 連載「ケイバ・ラプソディー」では東京・今西和弘記者(67)が当地を訪れ、競馬場に潜入。あまり知られていない同国の競馬事情をリポートします。

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絵を指さして買いたい馬券を伝える。幼児に変わらぬしぐさ。ポーランドで競馬、の得難い体験。

親日国ポーランドへ出掛けた。当初、その気はなかった。そこに家人の甘い誘惑。「競馬があって、ビールがおいしいのよ」。好きなものの1番、2番。決心変更。到着3日目の15日土曜日。首都ワルシャワ中心部からタクシーで20分のスウジェヴィエツ競馬場へ。一行4人にポーランド語を解する者はいない。

ポーランド競馬は国際カテゴリーではパート3。競馬場は1周約2300メートルの左回り。レースは芝のみ。スタンドはゴール寄りに1棟、直線入り口側に1棟。ゴール寄りの3階建てがやや高級。入場料は一般席が約150円。ちょっと奮発して高級棟の2階へ(指定席ではなくスペースへの入場。1人約570円)。ここのバルコニーから眺める向正面かなたの景色は、パリロンシャン競馬場にちょっと似ている。森の先に市街地のビルが見えて、違うのはエッフェル塔が見えないぐらい。スケールはずいぶん異なるが。

開催は土日で1日8レース。この日は最多11頭出走が2つ。全部で64頭の出走数だった。距離は1400メートルが1つ、1600メートル、1800メートルが各2つ、2000メートル、2200メートル、2400メートル。午後3時に1Rが始まり、同6時30分の最終レースまで30分間隔。1着賞金が最も高かったのは3Rの2400メートル戦で約75万円。

馬券の種類は単勝、馬連、馬単、3連単、4連単。これは「HOW TO PLAY」という、発売窓口に置かれていた手引書に書かれてあったのがこの5種類ということで、もっとあるのかも。

日本のような予想紙はない。あるのは約270円のレーシングプログラムのみ。馬券検討の材料はオッズ表示(場内テレビ)だが、これも理解できない。数字の値が低いのが人気馬だろうと考えて、その馬の単勝と流しの馬連を買った。ここでひと苦労。何度も手引書を指さして買うが、窓口のおばさん、何やらまくしたてて一向に売ってくれない。それもそのはず、3連単馬券の買い方を指さしているのに、購入用に書いたメモ用紙には馬連の目しか書いていない。「融通が利かねえなあ」と心中、舌打ちしたが、間違っていたのはこっち。やっと見つけた英語を解する女性の窓口で買った。その瞬間に締め切り。安いとはいえ的中。買えなかったら、日ポ間は険悪になっていた(そんなばかな)。

4レース勝負して、投資額約2500円に対し、戻ってきたのは1780円ほど。「なんだ、ずいぶん少額勝負だな」と言うなかれ、しばらく窓口にたたずんで、現地ファンの買い方を見ていたら、1口200円から400円ぐらい。購入する馬券の種類までは読み取れなかったが、堅実な買い方。ビール(通常サイズで100円ほど)注文ピッチの早さを見れば、もうけるというより、週末の午後を公園で楽しむ風情であった。

◆ポーランドと日本 1920年代、シベリアで路頭に迷っていた約800人の孤児を、日本が手を差し伸べて国に帰した。第2次大戦末期には、外交官の杉原千畝(ちうね)が有名となった「命のビザ」を発給。多くのポーランド系ユダヤ人を救った。これを忘れないポーランド人は、世代を超えて日本への親近感を抱いている。今年が国交樹立100周年。スウジェヴィエツ競馬場-ワルシャワ市内中心部へは地下鉄、バスなどでも30~40分前後(約200円)。タクシーでも約1200~1500円。通貨単位はズロチで、1ズロチは約30円。

◆ポーランド共和国 面積32・2万平方キロメートルで日本の約4/5。人口は約3840万人。言語はポーランド語。サッカー、体操、スキージャンプ、バレーボール以外に空手、柔道、相撲、合気道、剣道など武道も盛ん。(外務省HPより)

◆取材後記 大学では落語研究会に所属していた。そのノリで在ポーランドの日本人にウケた小ばなし。

「この国に来るのは8月半ば以降がいいんですね」「どうして」「盆から先ゃ~ ポーランド」(←熊本民謡「五木の子守歌」の歌詞「盆から先きゃ お~らんと」のくだりを参照。古っ!!)

 [2019年06月25日 08時42分 紙面から]

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