浜中1000勝、家族の思い出つまった小倉で達成

小倉9R英彦山特別で1000勝を達成した浜中俊騎手(左から2人目)(撮影・今浪浩三)
小倉9R英彦山特別で1000勝を達成した浜中俊騎手(左から2人目)(撮影・今浪浩三)

今年のダービージョッキー浜中俊騎手(30)が、小倉9Rをアールスターで勝利し、JRA通算1000勝を達成した。

史上36人目、現役19人目。デビューから12年5カ月15日、30歳7カ月24日での達成は、ともに武豊騎手(同8年4カ月23日、26歳4カ月9日)に次ぐ史上2番目のスピード記録。両親も現地で見届けたメモリアルVは、生まれ育った地元小倉での達成となった。

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こんがりと焼けた顔から白い歯をのぞかせた。浜中騎手が地元、小倉でJRA通算1000勝を達成。喜びを爆発させた。

「早く達成したくて・・・。今日も勝てるかな、勝てるかなと緊張していた。(師匠の)坂口先生もきていたので。今年、達成できればと思っていたし、(ダービー制覇と)2つの目標を掲げていたので、達成できてうれしいです」

07年のデビュー以来、毎年、夏は小倉で騎乗してきた。今年、13回目の夏コクには、ダービージョッキーとして凱旋(がいせん)。大台にも到達した。

「父と母に感謝したい」。生まれ育った場所で、メモリアルを見届けた両親への思いを口にした。「ここで生まれていなかったら、ジョッキーになっていなかったと思う」。ウイナーズサークルの最前列には毎週、応援に駆けつける母の姿があった。

競馬との出会いは、祖父だ。競馬が大好きだった祖父と小倉競馬場に何度も足を運んだ。「カメラ小僧」と呼ばれるほど競馬に魅了されていった。

「自分の青春は毎日、乗馬センターに通っていたこと。両親や祖父に連れてきてもらってジョッキーになりたいと志した場所です。小倉で勝てたらいいなと夢見ていて、それがひとつ勝って、夢を実現できた」

1歩1歩、積み重ねてきた1000勝だ。16年に他界した祖父、応援にかけつけてくれる両親との思い出がつまった小倉競馬場に、30歳の浜中騎手は少年のような笑顔で立っていた。【辻敦子】

 [2019年08月18日 00時00分]

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