オジュウチョウサン投票3位で有馬記念 鞍上は武豊

11月、南武特別を快勝したオジュウチョウサンの武豊騎手は、ガッツポーズでゴール
11月、南武特別を快勝したオジュウチョウサンの武豊騎手は、ガッツポーズでゴール

平成最後の有馬記念(G1、芝2500メートル、23日=中山)が伝説になる-。6日、有馬記念ファン投票の最終結果が発表され、2年連続で最優秀障害馬に輝いているオジュウチョウサン(牡7、和田正)が3位の10万382票を獲得。下級条件馬としては史上初のファン投票によるグランプリ出走が決まった。鞍上はJRA通算4000勝の名手武豊騎手(49)が務める。

年末の風物詩を競馬界の二刀流が疾走する。午後3時に発表になった最終結果でオジュウチョウサンは第1回、第2回の中間発表と同じ3位だった。順位を知った長山尚義オーナーはにこやかな表情で「ありがとうとしか言えません。トップでもおかしくない票をいただきました」とファンへ感謝し、美浦トレセンでは和田正師が「すごいですね。あらためてオジュウの人気を再確認しました。投票していただかないと出走できない立場ですのでありがたいです。期待に応えるべく、これから仕上げていきたい」と決意表明をした。

「障害競走の絶対王者」が平地競走の最高峰に挑む前代未聞の挑戦だ。欧州と違い、日本では平地で活躍できない馬の受け皿的存在が障害競走。オジュウは障害G1競走(春と秋に1回)で史上初の5連覇を達成。障害史上初のJRA公式ポスター、ぬいぐるみが製作されたスターホースだった。武豊騎手とのコンビで平地挑戦が5月に発表されたときは賛否両論だったが、7月に福島競馬場で行われた開成山特別でオジュウフィーバーを起こし、11月に東京競馬場で行われた南武特別も快勝。平地競走では下級条件を2勝しただけにもかかわらず、その走りと戦歴でこれまでにないほどの注目を浴びている。

変わった馬名はオーナーの愛称「チョウサン」と、オーナーの次男が子どもの頃に自分のことを「俺」と言えずに「オジュウ」と発音していたことに由来する。「障害は落ちこぼれとみられてしまいますが、有馬記念を勝てば、障害のG1・5勝も輝きますから」と長山オーナー。和田正師は「今回はG1の仕上げ。もう1段上の仕上げで挑めると思います」と全力投球を誓う。武豊騎手は「盛り上げたいですね。夢がある。(有馬記念は)ここ2回のメンバーとは雲泥の差。でも、すごい馬ですし、競走馬の可能性を感じました」と期待する。競馬を見ない人も注目する国民的行事が有馬記念。障害界の絶対王者から平地の最強馬へ・・・、オジュウチョウサンが平成最後の大一番を勝ちに行く。【木南友輔】

◆オジュウチョウサンのファン投票 17年有馬記念は1278票の77位。18年は宝塚記念は4268票で43位。宝塚記念は平地挑戦を表明した5月23日の直前からファン投票が開始されたが、当時オジュウチョウサンは平地未勝利で、G1出走資格を得ていなかったため、さほど票は伸びなかった。今回の有馬記念は10万382票。昨年より約80倍のファンの支持を受けた。

 [2018年12月07日 08時51分 紙面から]

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