ロジクライ快勝 レースレコードで2馬身差/富士S

ゴール前抜け出したロジクライが富士Sを制した(撮影・酒井清司)
ゴール前抜け出したロジクライが富士Sを制した(撮影・酒井清司)

<富士S>◇20日=東京◇G3◇芝1600メートル◇3歳上◇出走18頭◇1着馬にマイルCS優先出走権

2番人気に推されたロジクライ(牡5、須貝)が2番手から抜け出して、16年シンザン記念以来、2度目の重賞制覇を飾った。勝ちタイムは富士Sが1600メートルになった00年以降のレースレコードとなる1分31秒7。クリストフ・ルメール騎手(39)の絶妙な手綱さばきで、2着に2馬身差の横綱相撲だった。3、4歳時に1年11カ月も戦列を離れていた逸材が、完全復活をアピール。11月18日京都のマイルCS(G1、芝1600メートル)で悲願のG1制覇に挑む。

ラスト200メートル。満を持してロジクライが逃げるマルターズアポジーを捉える。パワフルで伸びのあるフットワークで脚を伸ばすと、2着のワントゥワンに2馬身差でゴール。これで府中牝馬S(ディアドラ)、秋華賞(アーモンドアイ)に続くJRA重賞実施機会3連勝のルメール騎手は「すごくうれしい。人気馬に乗りますから。いつも頑張りたい。今日も勝てて良かった」と白い歯をみせた。

名手の絶妙な手綱さばきが光った。好スタートからスッと逃げ馬の番手でピタリ折り合う。直線に入っても慌てず、内ラチ沿いで脚をため、後続の仕掛けを待ってゴーサイン。余力たっぷりに2着に2馬身差でゴール板を駆け抜けた。鞍上が「前走を観察して、いいペースを維持することができる馬だと。だからいいポジションを取りたかった。馬の反応もとても良かった」と言えば、須貝師も「グッドポジションでと話したが、安心して見てられた。2年のブランクを乗り越え、強いメンバーの重賞で強い勝ち方ができた」と目を細めた。

マイルCSの出走権を獲得し、師は「状態が良ければ向かってもいいかな」と前を向いた。本番の騎乗馬は未定だが、ルメール騎手も「能力あるからG1でもチャンスある。(時計が)速い京都もちょうどいい」と好走を予告。遅咲きの逸材が混戦のマイル戦線に殴り込みだ。【山田準】

 [2018年10月21日 08時34分 紙面から]

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