残り2週夏コク攻略法“九州の星”ヨカヨカが教えてくれた「真ん中より外」

小倉芝レースの枠番別成績
小倉芝レースの枠番別成績

先週日曜に行われた雨中の北九州記念(G3、芝1200メートル)は、地元九州・熊本産馬のヨカヨカ(牝3、谷)が重賞初制覇を飾った。今回の「ケイバ・ラプソディー ~楽しい競馬~」はその先週、初めて小倉に出張した大阪・奥田隼人記者が、到着取材からレースまでを振り返り、残り2週となった夏コクの馬券ヒントを考察する。

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競馬はドラマにあふれている。そんなことを実感した初の小倉出張だった。週中は栗東で取材を行い、木曜夜に小倉入り。金曜は競馬場で到着取材を行った。ヨカヨカの馬房に出向くと、担当の川端助手が九州仕様の特注メンコの話を教えてくれた。まさに「九州の星」。土曜夕方には地元テレビ局のヨカヨカ特集も放送されていた。

断続的に雨が降り続いた日曜。やや重馬場で迎えた北九州記念を先頭で駆け抜けたのは、その「九州の星」メンコを着けたヨカヨカだった。地元ファンの目の前で悲願の重賞初制覇。同じ九州、鹿児島出身の幸騎手が導いた1勝だった。

しかし、僕自身の予想は完敗。それでも難解な夏の小倉開催はまだ2週ある。攻略のヒントは? 鍵となるのは芝の状態だろう。

北九州記念の幸騎手は、8枠17番から道中も内には入れず、外々を追走。直線ではさらに外へ出して、コースのど真ん中を進路として選択していた。今開催は先々週の1週目(14、15日)が大雨。芝の内側はかなり傷みが進んでいて、先週はほとんどの騎手が内を空けて走っていた。

一方で東京五輪による中断前、7月の小倉開催3週は、開幕週に日本レコードが出るなど芝は超高速馬場だった。小倉競馬場・施設整備課馬場担当課長の長野照幸さん(43)は「今年は空梅雨だったので、芝にとって絶好の状態だった」とその要因を挙げる。しかし、今開催は雨に次ぐ雨。金曜に聞いた時点でも「例年に比べ、1週目にしては傷みが出た」と話していた。

今週から芝はBコース。内柵が最内から約3メートルの地点に設置される。通常なら芝の傷んだ部分がカバーされるが、例年以上に傷んでいる今開催は先週の傾向を踏襲すべきか。その「傾向」は別表で一目瞭然だ。

先週に行われた芝戦15鞍の勝ち馬15頭中14頭が5枠より外。3着以内45頭を見ても、うち33頭が5枠より外だった。直線の短い小回りの小倉では、勝負どころで進路を選ぶ時間も少なくなる。4角までに外めのいい位置を確保しやすい外枠馬が、残る小倉開催でもポイントになるはずだ。開催が終わる時に「終わりヨカなら、すべてヨカ~」と言って、秋競馬を迎えたい。【奥田隼人】(ニッカンスポーツ・コム/競馬コラム「ケイバ・ラプソディー ~楽しい競馬~」)

 [2021年08月24日 07時39分 紙面から]

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