ダービー制覇レーン騎手、短期免許最終週 レインフロムヘヴンほか14鞍で有終の美へ/エプソムC

ラストウイークでラストスパートをかけるレーン騎手
ラストウイークでラストスパートをかけるレーン騎手

ダミアン・レーン騎手(29)が、2カ月の短期免許期間最終週を迎える。期間中に30勝を挙げ、日本ダービー初制覇を成し遂げるなど今年も大いに存在感を示したオーストラリアの若き名手。有終の美へ、エプソムC(G3、芝1800メートル、11日=東京)ではレインフロムヘヴン(牡5、堀)、11日東京新馬戦(芝1800メートル)ではニッカン「先取りクラシック番付」横綱のダノンエアズロック(牡2、堀)など有力馬がスタンバイする。

美浦トレセンでラストウイークの調教騎乗を終えたレーン騎手はいつものようにりりしい表情で取材に応じた。今年はタスティエーラでダービー初制覇という大仕事をやってのけ、日本での存在感は年々高まるばかりだ。「もちろん今回の来日も厩舎、オーナー、関係者の皆さまのおかげで、ダービーの勝利を含めていい結果を出すことができました」と周囲のサポートに対し改めて感謝の意を示した。

有終の美を狙う重賞エプソムCではレインフロムヘヴンに騎乗する。昨年6月にJRA通算100勝のメモリアルを達成した縁起のいいパートナーだ。7日の最終追い切りでは自ら感触を確かめた。3頭併せの真ん中で意欲的に負荷をかけ、5ハロン66秒4-11秒6をマーク。「アクション、フットワークとも良かったですね。手応えも良かったし、全体的にいい感じだったと思います」。オープン入り早々の重賞挑戦にも自信を深めている。

同じ日曜の新馬戦ではダノンエアズロックの手綱も任せられた。昨年のセレクトセール1歳馬部門で4億5000万円(税抜き)で落札された注目馬だ。最終追い切りはレインフロムヘヴンを含めた3頭併せで最先着。大跳びで余裕のあるフットワークが目を引いた。5月25日の2週前追い切りでコンタクトを取り、「1回乗っていい馬だなと感じましたし、自分が乗ってからさらにステップアップしているように感じました。初戦から楽しみにしています」と期待を隠さない。

最終週は前述の2頭を含む土日計14鞍の騎乗依頼を受けた。「ダービーを勝ったけどどんなレースでも勝ちたい思いは変わりません。最後の週も頑張りたいです」。ラストウイークも変わらず貪欲に1鞍入魂を貫く。【井上力心】

◆レーン騎手の過去の短期免許最終週 初来日した19年(4~6月)は、宝塚記念をリスグラシューで制するなど計7勝の固め打ちで大暴れ。昨年は上半期に宝塚記念のヒシイグアスで2着、下半期にステイヤーズSのシルヴァーソニック1着など、最終週にも存在感を示した。

 [2023年06月09日 09時42分 紙面から]

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