【コラム】ゴスデン師とコンビ解消のデットーリに“古巣”がオファー 元のさやに戻るか

あれほど強固に映った人間関係がもろくもついえてしまうとは・・・。

家族のように親しかったJ・ゴスデン調教師(71)とL・デットーリ騎手(51)の間に修復不可能な亀裂が入ったというニュースは、2人の話し合いによって「充電のための休暇」を意味するサバティカル(Sabbatical)な状態という発表で決着しました。

分裂の原因はロイヤルアスコット開催の3日目に行われたG1ゴールドC(芝3990メートル)とブリタニアS(芝直線1600メートル)でのデットーリ騎手の騎乗にありました。

ゴールドCで2番人気だったストラディバリウスは終始馬群に包まれて、直線で大外に持ち出した時は既に遅く、勝ったキプリオスの3着。まともなら突き抜けた脚色に落胆の声が上がりました。ブリタニアSはエリザベス女王の愛馬サガで2着でしたが、期待の大きかったゴスデン師には不満の残るものだったのでしょう。

残るシーズンをフリーとして活動することになったデットーリ騎手ですが早速、手を差し伸べたのは古巣“ゴドルフィン”の馬を預かるS・ビン・スルール調教師でした。

デットーリとゴドルフィンを率いるモハメド殿下は、18年の永きにわたって蜜月関係にありましたが、12年10月に関係解消が発表されると、その後はカタールのジョアン殿下によるアルシャカブレーシングの主戦時代をへて、15年のシーズンから旧知のゴスデン師との二人三脚で今に至っていました。

デットーリ騎手が元のさやに戻るかはまだ流動的ですが、7月2日土曜にサンダウン競馬場で行われるG1エクリプスS(芝1990メートル)ではゴドルフィンの所有馬で、14日のG1クイーンアンSで無傷の8連勝を飾ったバーイードの2着に食い下がったリアルワールド(牡5、父ダークエンジェル)に騎乗することが決定しています。【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)

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