【コラム】大混戦ケンタッキーダービーは枠順にも注目 クラウンプライドは7枠から偉業に臨む
7日(日本時間8日)のG1ケンタッキーダービー(チャーチルダウンズ、ダート2000メートル)の枠順が決まりました。今年はまれにみる混戦模様。枠順も重要なファクターです。
地元ケンタッキーの前哨戦、G1ブルーグラスS優勝馬で1番人気が予想されるゼンダンは、勝率10・6%、3着入着率28・2%の好枠10番枠を引いていますが、G2ルイジアナダービーの勝ち馬で、ゼンダンと人気を分け合うエピセンターは、多頭数のケンタッキーダービーでは包まれることが多く、あまりいい枠とは言えない3番枠。序盤の位置取りが好走の鍵を握ることになりそうです。
物量作戦で臨むのはT・プレッチャー厩舎とB・コックス厩舎で、ともに3頭出し。プレッチャー師は10年に4頭出し(スーパーセイバーで優勝)、17年は3頭出し(オールウェイズドリーミングで優勝)を成功させた実績があり、今年は4番人気になりそうなモードニゴールを大将格に伏兵のチャージイット、それに滑り込みで出走を果たしたパイオニアオブメディーナを加えた3頭で、3度目のダービー制覇に挑みます。
薬物が検出されて今年1月に失格が決まったメディーナスピリットに代わって昨年のケンタッキーダービー馬となったマンダルーンのコックス師は、伏兵視される3頭(サイバーナイフ、トーニーポート、ゾゾス)でひそかに連覇を狙っています。
メディーナスピリットの一件で来年までのケンタッキーダービーへの出走がかなわなくなったB・バファート調教師の管理馬を、移籍という形で引き受けたT・ヤクティーン厩舎はG1サンタアニタダービーで1、2着したテイバとメッシエーを出走させますが、テイバは勝率3・9%の12番枠、メッシエーも勝率2・2%と数字の悪い6番枠を引き当てました。
勝率10・9%と最高の数字を残している5番枠からスタートするのは、G1ブルーグラスSでゼンダンと2馬身半差2着のスマイルハッピー。前売りオッズは21倍ですが、当日はもっと人気になりそうです。ルメール騎手とともに日本からの期待を担って参戦するクラウンプライドは勝率8・8%、3着入着率22・0%の高い率で、昨年のマンダルーンと同じラッキー7番枠から歴史的偉業に臨みます。【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)