【コラム】馬名由来は日本人?ジュンコ新「去勢馬の星」へ
古くは英ダービー馬のミノル、近年ではオーストラリアと英国でG1を制したハラダサン、米国の芝、ダート双方でG1に勝ったヨシダ、欧州重賞勝ちのミサコトーゴー。日本人の名前を馬名にいただいて活躍した馬は少なくありません。
日曜日(17日)にG1仏ダービーの前哨戦となるノアイユ賞(G3、芝2100メートル、パリロンシャン)を制したジュンコ(せん3、父アンテロ)は、名門のA・ファーブル厩舎の所属馬で、これでデビューから無傷の3連勝を飾りました。
ジュンコはシャネルのオーナーで凱旋門賞馬のソレミアなどを持つヴェルテメール兄弟が生産所有する鹿毛馬で、近親にはG1エイコーンS優勝のファインダーズフィーがいて血統も一流。ファーブル厩舎に預けられたのも、ゆくゆくは仏ダービーという夢があったからです。
馬名の由来は明らかにされていませんが、性別を超えたキャラクターとして海外アニメに登場する超人的な力を持つ「やさしい巨人」というイメージが最も近いようです。
デビューからオールウェザートラックで2連勝したジュンコは、激しい気性の矯正などを目的に3月下旬に去勢手術を受けて再出発。去勢されたことでクラシックの夢は絶たれてしまいましたが、ノアイユ賞では終始2番手で折り合って首差で勝利をものにしたように気性難はだいぶ解消されたように映りました。
去勢馬はG1凱旋門賞への門戸が閉ざされていることから、ジュンコの次の目標となるのは7月23日のキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1、芝2390メートル、アスコット)。フランスにはG1で7勝を挙げて賞金王にもなったシリュスデゼーグルという「去勢馬の星」がいますが、未知の魅力を秘めるジュンコにはこれを上回る活躍が期待されています。
【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)