奇襲振り返るバカラクイーン武井師「真っすぐ行け」/アイビスSD
<アイビスSD>◇25日=新潟◇G3◇芝直線1000メートル◇3歳上◇出走16頭
14番人気バカラクイーン(牝5、武井亮)の奇襲に歓声自粛の新潟競馬場が静かにどよめいた。スタート直後、他の15頭と離れ、最内枠からただ1頭、内ラチ沿いへ進路を取る大胆な作戦。先頭をオールアットワンス、ライオンボスが走る外ラチ勢とは別世界を独走した。残り50メートルで上位2頭には離されたが、最後まで勝負に加わった。
作戦を練った武井亮師(40)がレース後、今回の奇襲作戦を振り返った。「1枠(1番)になってしまったので、実力差的に外に出していってもしかたないし、『真っすぐ行け』と。芝を張り替えてあって、開幕週で内が全然止まらないし、『ハラをくくってくれ』とジョッキーに伝えました。レースが終わって非難されるようなことがあったら、『調教師の指示があったと言ってくれ』と。結果的に勝つことはできませんでしたが、スタンドが盛り上がったし、自分も楽しめました。海外の競馬だと内外に離れる競馬は多いし、本当なら何頭か一緒についてきて欲しかったけど・・・。レースが終わって、他の調教師で『レース前に言ってくれればついていったのに・・・』と言ってくれた方もいましたね」。
一昨年の夏に直千で初勝利を挙げていたバカラクイーン。今後は中1週で同舞台の驀進特別(2勝クラス、芝直線1000メートル、8月8日=新潟)に出走する予定とのこと。武井師は重賞3着を喜びつつ、「次を簡単に勝てるとは思っていません」と気を引き締めていた。