若駒から競走馬へ、厩務員が「馴致」で築く信頼関係

<ホッカイドウ競馬 冬のお仕事:厩務員編>

ホッカイドウ競馬は全国でも珍しい約5カ月の休催期間がある。秋のシーズン終了から翌年4月中旬の新年度開幕まで、関係者はオフも大忙しだ。連載「ホッカイドウ競馬 冬のお仕事」では、厩舎スタッフの奮闘ぶりを3回にわたって紹介する。

1回目は厩務員編。今秋「JBC2歳優駿」(統一G1)が新設される門別競馬場には、すでに550頭もの明け2歳馬が入厩している。厩務員は若駒を競走馬として育てる「馴致」という仕事をこなす。

   ◇   ◇   ◇

競走馬がデビューするまでには、多くの人の手が掛かっている。その中で目立たないながら、欠かせない存在に、日々馬の世話をする厩務員がいる。毎年、全国で最も早く2歳馬がデビューする門別競馬場には、毎年11月から大安の日を選んで若駒たちが大挙して入ってくる。1歳秋のその馬たちと最初に触れ合うのが厩務員たちだ。

厩務員にはこの日からシーズン中よりも忙しい日々が始まる。林厩舎の加藤浩二さん(46)は「馬房に入れるといきなり壁によじ登ったり、蹴って穴を開けたりする。今は少なくなったが、まだこんな馬が年に何頭かはいる。1年で最も大変な時期かもしれない」と苦笑いする。

まだ人の手に慣れていない若駒たちに、競走馬としての作法を教え込んでいくことを馴致という。厩務員の大きな役割であるとともに、腕の見せどころでもある。方法はそれぞれの厩舎や担当者によって違いはあるが、馬房の中で腹帯に慣れさせる「胴締め(えりあげ)」から始まり、「ハミ受け」「背慣らし」「騎乗」という段階を踏んでいくのが一般的だ。

近年はウオーキングマシンの普及でこのプロセスを効率的に行うケースも増えているが、一方で旧来の手法にこだわる厩務員もいる。桜井厩舎の秋田忠則さん(42)は、長い手綱を馬の後ろで操作して歩かせるドライビングという手法を行う。「騎乗した時にしっかりハミが効いて暴走しない。病院送りになりたくないからね。手間は掛かるが、信頼関係が築ける。走ることに対する前向きな気持ちを、安全に身につけてもらうにはこれが一番だと思っている」と胸を張る。

若駒の中には環境が変わったことで食欲をなくしたり、体調を崩す馬もいる。馬と最も身近に接し、毎日の健康状態を確認するのも厩務員の大きな役目だ。5年連続リーディング1位の田中淳厩舎の畑中唯志さん(43)は「人に例えれば、まだ幼稚園児のようなもの。背慣らしの時が一番怖いよね。何かと手は掛かるが、そうした馬たちが一つでも多く勝ってくれた時の喜びは、何物にも代え難い」と話す。今秋から「JBC2歳優駿」が新設され、新たな目標ができた。開幕まであと3カ月。いち早く新馬戦がスタートする。【奥村晶治】

○・・・ホッカイドウ競馬には現在35の厩舎があり、その約半数が外国人を厩務員として雇っている。人手不足を解消するため18年5月から受け入れを始め、インド人を中心に現在はウズベキスタン人の2人を含め全体の4割となる約40人が在籍している。ウズベキスタン人のムキモブさん(27)を雇用する田中淳師は「とにかく真面目で覚えも早く、本当に助かっています」。騎乗技術や馬の知識を持つ特定技能の在留資格を取得しており、即戦力として活躍している。インド人のリズワンさん(30、米川昇厩舎)は「冬の寒さはデンジャラス。でもみんな優しくて温かい。日本でずっと乗っていたい」と話していた。

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