ディアドラ、世界ツアーの集大成だ/香港ヴァーズ

<キナミの帝王~日本でも香港でも>

香港国際競走(8日=シャティン)へ向け、5日は全4競走の枠順抽選会が行われた。幕開けは最多5カ国の調教馬が激突する香港ヴァーズ(G1、芝2400メートル)。G1番記者「キナミの帝王~日本でも香港でも」の木南友輔が注目するのは世界行脚し、日本馬の評価を決定的に高めたディアドラ(牝5、橋田)だ。

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パドックの特設会場で次々に枠順が決まっていく。馬名を呼ばれた陣営が枠順のクジを引いていく。いの一番に名前を呼ばれ、1番枠に決まったのがラッキーライラック。グローリーヴェイズは7番枠。残り2頭は連覇を狙う地元の雄エグザルタントとディアドラ。2番枠か大外14番枠か。ディアドラの込山助手が引いた紙に書かれていた数字は「2」だった。関係者席で見守っていた橋田助手が白い歯を見せた。「込山さんが(強運を)もってますよ。ここならラッキーライラックを見ながらいけます。みんなは大外のエグザルタントを意識する競馬になる。ジョッキーも馬のことをわかっていますから・・・」。

以前、後輩の柏山記者(※京大出身、ケイバーメトリクスの使い手)からその存在は聞いていた。31歳の橋田宣長(はしだ・よしたけ)助手。今年の英愛の競馬場のニュースリリース、欧州メディアの記事でディアドラとともに何度その名前を目にしたことか。「馬の世話をする人だけがホースマンではなく、いろいろな役割のホースマンがいるべきだと思います」。流ちょうな英語を駆使して主催者と交渉し、競馬専門チャンネルにゲスト出演することもあれば、レース当日のパドックではたとえばアイルランドの名伯楽エイダン・オブライエンと1対1で競馬談義をする。今年、日本のファンの目を世界に向けさせ、世界の目を日本に向けさせた功労者がディアドラの世界行脚を支える。

「彼女は本当にすごい馬です。欧州にただ長くいれば結果を出せるのではなく、安定して結果を出し続けたことが素晴らしいと思います。来年も現役は決まっているし、ここで結果を出せば、2400メートルのレースも選択肢に入ります」。香港ヴァーズは長期間に及ぶ世界行脚の集大成・・・、いや、もしかしたら来年欧州の12ハロン(キングジョージ、凱旋門賞など)挑戦の序章なのではないか。橋田助手の屈託のない笑顔にはそんな覚悟が見え隠れする。

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