コントレイル圧勝クラシック見えた/東スポ杯2歳S
<東京スポーツ杯2歳S>◇16日=東京◇G3◇芝1800メートル◇2歳◇出走8頭
衝撃の勝利だ。ライアン・ムーア騎手(36)が騎乗した1番人気コントレイル(牡、矢作)が5馬身差の圧勝で重賞初制覇を飾った。
勝ち時計1分44秒5は17年12月2日阪神9Rシクラメン賞でオブセッションが記録した1分45秒6を1秒1更新する、2歳芝1800メートルのJRAレコード。今後はホープフルS(G1、芝2000メートル、12月28日=中山)でデビュー3連勝を目指し、来春はクラシック路線を歩む。
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ムーア騎手の激しいアクションがコントレイルの闘志をかき立てる。発走直前の輪乗りで落馬し、左肩を強打をしたとは思えない猛烈な手綱さばきだった。2馬身、3馬身・・・。セーフティーリードになっても、止めない。クラシックへの出世レースで2着馬に5馬身差、13年イスラボニータを1秒4更新するコース並びにレースレコードだけでなく、JRAレコードの圧勝。場内のどよめきはしばらく続いた。医務室を出たムーア騎手は「レコードだけど、速いという感じはなかった。正直、トップクラスの馬」と言った。世界の名手もほれるほど、大物誕生の予感だ。
見守る矢作師も身震いするほどの勝ちっぷりだった。「ここまでとは思わなかった。想像を超えています。僕もファンの気持ちで、震えました」。8年前の11年、後のダービー馬ディープブリランテも同レースを勝ったが、その時以上の衝撃を残す勝利。デビュー2連勝は即座に来春のクラシックを意識させた。
次の照準はすぐに決まった。矢作師は「少なくとも2000メートルに関しては大丈夫だと思う。口向きが繊細なところがあるけど、僕の想像をもっと超えてほしいですね」と期待をかけた。次走はホープフルSでG1に挑戦し、来年は弥生賞、皐月賞へ。王道を行くローテで世代の先頭を突き進む。【松田直樹】