キングカメハメハ死す 吉田勝己氏「本当に感謝」
種牡馬キングカメハメハ(牡18)が9日夜に死んだことが、分かった。同馬を生産したノーザンファーム代表で、社台コーポーレーションの代表取締役を務める吉田勝己氏が明かした。
9日夕方ごろから体調が悪化し、同日23時ごろに息を引き取ったという。吉田氏は「もともと体調が悪かったのでね。よく頑張ったなという感じです。ここ5年は体調が良かったり、悪かったりでしたから。白内障で目も見えていなかったし、人間でいう糖尿病みたいなものだったのかな」と悼んだ。
同馬は03年11月に京都でデビューし、04年NHKマイルCを優勝後、ダービーを2分23秒3のレコード(当時)で勝つ変則2冠を達成。同年秋の神戸新聞杯優勝後に右前浅屈腱炎で引退、05年から社台スタリオンステーションで種牡馬生活を送っていた。体調不良を理由に今春は種付けを見送っており、今年のシーズン終了後に種牡馬引退が発表されていた。この春に生まれた当歳馬たちが同馬の最終世代で、最後の直子たちがデビューするのは21年夏以降となる。
種牡馬としてはドゥラメンテ、レイデオロのダービー馬2頭をはじめ、国内外でG16勝のロードカナロア、3冠牝馬アパパネなど、歴史的名馬と呼べる一流馬を数多く輩出した。7月30日に死んだディープインパクト同様、日本競馬をステップアップさせた功労馬だった。
吉田氏は「2つの巨星が落ちたけれど、次世代に向けて後継馬も残してくれた。牧場、日本の競馬にものすごい貢献をしてくれた馬でした。本当に感謝しています」と話した。