ジャパンが逆転候補 英ダービー主役奪うか/コラム
今年の英国クラシックのリーダーは昨年4戦不敗の2歳チャンピオン、トゥーダーンホット(牡3、父ドバウィ)で決まりと言われています。
凱旋門賞馬エネイブルや、ウィンクスと並んでレーティング世界一となったクラックスマンなどを育てたJ・ゴスデン調教師の管理馬で、主戦は名手L・デットーリ騎手。馬主は「エビータ」、「キャッツ」、「オペラ座の怪人」などの舞台音楽で知られるA・ロイド・ウェバー(叙勲されて名称はロイド・ウェバー卿)。関係者もセレブぞろいで、まぶしいくらいのスター候補です。
英国クラシックの幕開けとなる来月4日の英2000ギニー(G1、芝直線1600メートル=ニューマーケット)の前売りオッズは3・5倍前後で圧倒的な1番人気。英2000ギニーと英ダービーの2冠にも7倍という現実味のあるオッズがつけられています。
トゥーダーンホットの母は10年のG1ドバイシーマクラシックでブエナビスタの追い込みを退けて優勝したダーレミ。欧州でもトップクラスの牝系出身であることも人気を後押ししているようです。
6月のG1英ダービーは距離が2410メートルに延びますが、ここでもトゥーダーンホットが本命。しかし、2番手グループにはスタミナ豊富なガリレオ産駒が控えていて、中でもA・オブライエン厩舎の、その名もジャパン(牡3、父ガリレオ)が逆転候補の筆頭に挙げられています。
ジャパンも母系から凱旋門賞馬サガミクスを出す良血。2歳時は3戦2勝。クラシックの登竜門として知られるG2ベレスフォードS(芝1600メートル)の覇者で、厩舎の中でも将来性を高く買われている1頭です。
毎年たくさんの所属馬をクラシックに送り出すオブライエン厩舎ですが、今年はジャパンを筆頭に国名や都市名など固有名詞をそのまま馬名にした「ご当地馬」がめじろ押し。国名だけでも「カナダ」「ホンコン」「ペルシャ」という馬もいて、この他にも「ケンタッキーブルーグラス」や「ヤンキースタジアム」、それに「マウントフジ」などユニークな名前をつけられた良血馬が控えています。【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)