ミルコ、ルメール不在もC・デムーロ来た/阪神JF
<阪神JF>◇9日=阪神◇G1◇芝1600メートル◇2歳牝◇出走18頭
1番人気のダノンファンタジー(中内田)が、3連勝で2歳女王に輝いた。後方から一気に追い込み、ライバルたちをのみ込んだ。勝ち時計は1分34秒1。C・デムーロ騎手(26)は昨年のホープフルS以来のJRA・G1・3勝目。外国人騎手は“9週”連続のG1勝利となった。中内田充正調教師(39)は昨年の朝日杯FS(ダノンプレミアム)に続く2年連続の2歳G1制覇。JRA2歳重賞はのべ12頭で通算11戦7勝となった。
ゴール直後、C・デムーロ騎手は左手でガッツポーズを作った。枠場に引き揚げてくると、再度ガッツポーズでダノンファンタジーの首にキス。自身3度目のJRA・G1勝利を、相棒に感謝した。出迎えた中内田師とは、抱き合って喜びを分かち合う。1番人気に応える快勝だった。
スタート後、あえて後ろに下げた。これまでの3戦とは違う位置取りだった。「調教からエキサイトする部分があった。リラックスさせるために、後ろのポジションを取った。落ち着いて、いいレースができた」。4角も後方から外を回り、直線はクロノジェネシスと2頭で大外から追い込んだ。先行馬を次々とかわし、ゴール前は一騎打ち。内ファンタジー、外ジェネシス。ぐいっと前に出て、半馬身差で制した。「ちょっとドキッとしたけど、すごくいい脚だった」。後方待機策が功を奏した。
新馬戦こそグランアレグリアの2着に甘んじたが、東京芝1600メートルで1分33秒9という破格の走破時計をマークしていた。その後の2戦を完勝し、3連勝でのG1制覇。能力の高さは疑いようもない。同騎手が「良さは反応の速さ。クラシックはチャンス」と話せば、中内田師も「競馬をするたびに、ひとつひとつ成長している。いい形で成長カーブを描いている。牝馬ですし、狙うのは桜花賞になります」と、来春のクラシックを見据えた。
前週のチャンピオンズCは、M・デムーロ騎手がルヴァンスレーヴで勝利。兄弟で2週連続G1制覇となった。弟クリスチャンは「面白いですね。どちらもG1を勝つことができて、家族としてうれしい」と喜んだ。切磋琢磨(せっさたくま)しながら、これからも兄とともに勝ち星を重ねていく。【網孝広】