アーモンドアイ3冠 ルメール世界進出進言/秋華賞

<秋華賞>◇14日=京都◇G1◇芝2000メートル◇3歳牝◇出走17頭

また1頭、歴史に偉大な馬名が刻まれた。単勝1・3倍の断然支持を受けたアーモンドアイ(牝3、国枝)が、史上5頭目の牝馬3冠馬となった。勝ち時計は1分58秒5。大外から鮮やかにライバルを抜き去った。クリストフ・ルメール(39)は自身初の3冠を達成。管理する国枝栄師(63)は10年アパパネ以来、史上初となる2頭の3冠馬を育て上げた。次走は状態次第ではあるが、ジャパンC(G1、芝2400メートル、11月25日=東京)で古馬初対戦が濃厚だ。

強さの次元が違った。4角のどよめきを瞬く間に歓声に変えた。アーモンドアイとルメール。大外を伸びる人馬が一気にファンの視線を吸い寄せる。4角12番手。328メートルしかない直線で爆発的な末脚に灯がともる。1頭、また1頭とライバルが後方に消えた。残るは逃げるミッキーチャームだけ。「素晴らしい脚で頑張ってくれた」。差した。突き放した。史上5頭目の牝馬3冠達成だ。

オークス以来の中146日の実戦も全く問題にしなかった。久々もあって、この日はプラス14キロで出走。発馬前には少し気持ちが入る場面もあったが、スタート直後に中団を確保した。「3、4角ではコーナーが狭くてバランスを崩したけど、大外に持ち出したときはすぐ加速した」。走りだしてしまえばあとは直線を待つのみだった。

名馬の背中にまたがる姿をずっと夢見てきた。「生まれた頃からジョッキーになることしか考えてなかった」。1人歩きが出来るようになってからは、ソファの肘掛けが愛馬になった。当時、現役騎手の父パトリスの鞍をかぶせ、ムチを手に将来の自分を想像する。毎日のハードトレに気付けば“相棒”は穴ぼこだらけ。何度もパートナーは買い替えを余儀なくされた。「ママには何度も怒られた。自分でもよくわからないけど、やめなかったね」。思い描いていたのは、誰にも負けない馬。「ファンタスティックホース。日本で一番強い」。日本に来て3年半。やっと巡り会えた。

遥かな高みを見据える。鞍上は「今朝まではプリンセスだったけど、今は女王になった。来年、凱旋門賞がメインターゲットなら楽しみ」と世界進出を進言した。次走は古馬初顔合わせのジャパンCが濃厚だ。日本最強馬の先に、世界最強への道が開ける。澄み切ったその瞳には果てしない可能性が見えている。【松田直樹】

  1. お得な新入会プラン登場! 競馬情報サイト【極ウマ・プレミアム】
  2. 競馬予想に【ニッカンAI予想アプリ】

週末は予想に使えるLIVEサンプル

おすすめ情報PR

お問い合わせ

03-4434-2387(平日10〜18時)

media_race@nikkansports.co.jp

◆ご注意 メールでお問い合わせの方は上記アドレスからのメールを受信できる設定にしてください。回答の返信メールが届かないケースが多く発生しております。ご注意ください。また、ニッカンID以外のログイン及び決済関連については、各関連会社へお問い合わせ下さい。

よくあるお問い合わせ