池添リスク覚悟の“ショートカット”でサブライムアンセム接戦制す/フィリーズR
<フィリーズレビュー>
サブライムアンセムが頭差の接戦を制した。勝敗を分けたのは4コーナーのコース取りだ。単勝1・7倍の断然人気に支持されたナムラクレアの浜中騎手は外差しを選択して4、5頭分外を回る。これに対してサブライムアンセムの池添騎手は、直線的な動きでショートカットした。
ライバルが外へ行ったのとは対照的に、馬場の内から斜めに外へ。直線は先行したスリーパーダ、キミワクイーンの間。狭いスペースに馬体をねじ込んだ。両サイドから挟まれれば完全にアウトだが、ナムラクレアを負かすにはリスクを冒さなければならない。勝つためのイチかバチかの賭けが功を奏した。
残り200メートルで前が開いた時には、外から勢いをつけて伸びてきたナムラクレアとほぼ横並びの状態。馬群を突いて脚が残っていた分、競り合いでもうひと踏ん張りできた。もし外を回っていたら逆転できたかどうか。コース取りの勝利といっていい。
一方、ナムラクレアは断然人気を背負った分、冒険できなかった。馬混みに入れて前が詰まれば、それこそ連対も危うい。手応えの良さを感じていたから正攻法の競馬をした結果で、勝ち馬にうまく乗られたというほかない。1分19秒9(勝ち馬と同じ)の時計は優秀で、人気が落ちる桜花賞では乗り方ひとつで逆転が可能だ。
直線抜け出してフィリーズRを制したサブライムアンセム(左)(撮影・白石智彦)
[2022年03月14日]
- 水島晴之
- 水島晴之(みずしま・はるゆき)1960年(昭和35年)10月25日、東京都生まれ。0歳から東京競馬場で英才教育。カタカナを覚えるのは早かった。小3の時、競馬専門紙の「ダービー観戦記」に応募。佳作に選ばれスポーツ新聞の取材を受ける。15年後、その道へ。タケシバオー最強説を唱える。
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