デムーロの危険回避能力がサークルオブライフの末脚を引き出した/阪神JF
<阪神ジュベナイルF>
サークルオブライフのM・デムーロ騎手は、不利を避けてスムーズに流れに乗せた。これが勝因だ。この時期の2歳戦はキャリアが浅く、思わぬ動きをする馬もいる。18頭のフルゲートならなおさらだ。1回でも手綱を引いてブレーキをかければ勝利は遠のく。接触など不測の事態が起こる前に危険を回避することが大事になってくる。
実際、スタートして200メートルくらい行ったところで馬群がごちゃつき、シークルーズが挟まれてポジションを下げ、ステルナティーアは他馬と接触して折り合いを欠いた。サークルオブライフもゲートは五分に出たが、横並びの状況からいったん下げて様子を見た。もし、引かなかったら不利を受けたかもしれない。馬混みを突かず外へ。この進路選択もさすがだ。
残り800メートルでベルクレスタが外からまくってきた時も、これをスルーして脚をためた。仕掛けどころとしては早いが、前へ入られれば1列後ろに下がる。難しい判断だが「馬の力を信じて」(デムーロ騎手)ポジションよりも走りのリズムを優先した。追いだしたのは4コーナーを回ってから。直線はすぐに外へは出さずベルクレスタの後ろで闘志をかき立て、残り400メートルで外へ開いた。
仕掛けのタイミングは文句なし。少し内にもたれると、左から右にムチを持ち替えて矯正。一瞬でスパッと切れるタイプではないが「追えば追うほど伸びる」脚質を生かして末脚を引き出した。
直線抜け出し阪神JFを制したサークルオブライフ(右)(2021年12月12日撮影)
[2021年12月13日]
- 水島晴之
- 水島晴之(みずしま・はるゆき)1960年(昭和35年)10月25日、東京都生まれ。0歳から東京競馬場で英才教育。カタカナを覚えるのは早かった。小3の時、競馬専門紙の「ダービー観戦記」に応募。佳作に選ばれスポーツ新聞の取材を受ける。15年後、その道へ。タケシバオー最強説を唱える。
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