【マイルCS】グランアレグリアの究極末脚引き出したルメールの外差し選択
<マイルCS>
グランアレグリアが馬群の外へ出した時、勝負は決まった。後方集団の12番手で3コーナーを回る。すぐ前にはダノンザキッド、外にリプレーザがいる。中を割るのか、それとも外へ行くのか。選択肢は2つ。どちらにも進めるポジションだったが、ルメール騎手に迷いはなかった。
外に併せるリプレーザの幸騎手が「勝ち馬のパワーがすごくて、抵抗できなかった」とコメントしたように、内からはじくようにダノンザキッドの外へ。4コーナーで馬場の6分どころへ出して、一気に前をとらえにかかる。いったん先頭に立ったグレナディアガーズをかわすと、後続の追い上げを難なく封じた。
上がりは最速の32秒7。荒れた馬場で「究極」の切れ味。この末脚を繰り出せたのは、ルメール騎手のエスコートがあってこそだ。スタートは五分に出たが前へ行く気はなかった。逃げたホウオウアマゾンの前半1000メートルは59秒3。緩い流れなら自慢の瞬発力勝負に持ち込める。だから、集団の中でしっかり脚をためた。
強敵シュネルマイスターの決め手は、毎日王冠で感じている。ライバルの位置を確認して、外へ出したのは「差せる」と確信したからだろう。直線は馬場のいいVロードへ。G1・6勝の最強マイル女王にふさわしいラストランだった。
ラストランとなったマイルCSで連覇を果たしたグランアレグリア(中央)(2021年11月21日撮影)
マイルCSの4角でグランアレグリア(右から3頭目)を外に持ち出したルメール騎手
[2021年11月22日]
- 水島晴之
- 水島晴之(みずしま・はるゆき)1960年(昭和35年)10月25日、東京都生まれ。0歳から東京競馬場で英才教育。カタカナを覚えるのは早かった。小3の時、競馬専門紙の「ダービー観戦記」に応募。佳作に選ばれスポーツ新聞の取材を受ける。15年後、その道へ。タケシバオー最強説を唱える。
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