勝敗その一瞬〜重賞振り返り〜

オーソリティを連覇に導いたルメールの冷静なポジション取り/AR共和国杯

<アルゼンチン共和国杯>

まったく無駄のない騎乗だった。ルメール騎手は好スタートを決めたオーソリティを先行グループへ導いた。「スローになる」という読みもあったが、出していけば掛かる恐れもある。折り合いをつけるには、壁となり道を作ってくれる馬の存在が必要だ。うまかったのは1コーナーのポジション取り。逃げ馬の後ろではなく、2番手アンティシペイトの直後につけた。

向正面では内アイアンバローズ、外ゴーストの真ん中。前、両隣に馬を置くことで動きにくい状況を作り(行きたがるのを)我慢させた。馬群の中ということを考えれば、前を走る馬の力量も見定めなければならない。直線を待たずに下がってこられたら、それこそ逃げ場がなくまともに不利を受けてしまう。力のある2番人気馬なら最後まで引っ張ってくれる、という判断も間違いなかった。

直線はいったん先頭に立ったアンティシペイトの外へ誘導。「壁」を外したことで、たまっていた力を一気に開放した。2着マイネルウィルトスとは2馬身半差の完勝だが、天皇賞・春から6カ月ぶり、12キロ増、トップハンデの57・5キロと不利な条件が多かっただけに、レースで1つでも歯車がかみ合わなければ、結果はどうなっていたか分からない。

ゲートをしっかり出して2コーナーまでに理想のポジションを手に入れたルメールの冷静な判断が連覇をたぐり寄せた。

ゴール前抜け出したオーソリティ(右)がアルゼンチン共和国杯を連覇(撮影・酒井清司)

ゴール前抜け出したオーソリティ(右)がアルゼンチン共和国杯を連覇(撮影・酒井清司)

 [2021年11月08日]

水島晴之
水島晴之(みずしま・はるゆき)1960年(昭和35年)10月25日、東京都生まれ。0歳から東京競馬場で英才教育。カタカナを覚えるのは早かった。小3の時、競馬専門紙の「ダービー観戦記」に応募。佳作に選ばれスポーツ新聞の取材を受ける。15年後、その道へ。タケシバオー最強説を唱える。

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