テルツェットの末脚引き出したルメール騎手のコース選択/クイーンS
<クイーンS>
テルツェットが鮮やかな差し切りを決めた。スタートが遅く、前半は10番手前後を追走する。勝負どころの3コーナーでは、前にマイエンフェルト、その外にサトノセシル。後ろからはウインマイティーがまくり気味に馬体を並べた。馬群を突くか、大外を回るか。難しいポジションとなったが、ルメール騎手は迷いなく前者を選択。このコース取りが勝利を呼んだ。
外を回せば先行したシャムロックヒル、シゲルピンクダイヤのさらに外へ行く必要があり、早めに脚を使わざるを得ない。中を突けばスムーズにさばけない危険もあるが、ルメールは他馬の手応えを見ながら馬群の中、サトノセシルの後ろへつけた。もし、マークした馬が進んで行かなければ前が壁になって脚を余してしまう。「この馬の後ろなら抜けられる」という瞬時の判断はさすがだ。
直線はサトノセシルが通ったコースを追いかけ、マジックキャッスルとの間にスペースができると、狭いところを割って出た。馬の後ろで我慢していた分、仕掛けてからの反応も速い。一瞬にして抜け出し、首+首差の接戦を制した。外を回していたら、ゴール前であれほど切れる脚は使えなかった。いったんポジションを下げてでも、馬群を突く選択をしたルメールの好騎乗が光った。
クイーンSを制したテルツェット(左から3頭目)(撮影・村野早祐)
[2021年08月02日]
- 水島晴之
- 水島晴之(みずしま・はるゆき)1960年(昭和35年)10月25日、東京都生まれ。0歳から東京競馬場で英才教育。カタカナを覚えるのは早かった。小3の時、競馬専門紙の「ダービー観戦記」に応募。佳作に選ばれスポーツ新聞の取材を受ける。15年後、その道へ。タケシバオー最強説を唱える。
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