坂口正大元調教師のG1解説 トップ眼

【坂口大元師トップ眼】淀の長丁場はこう乗る、ルメールが思い出させてくれた定石/天皇賞・春

何が起こるか分からないのが競馬です。時にはアクシデントもありますが、タイトルホルダーの競走中止は本当に残念でした。ただ、横山和騎手が馬を止めて、下馬した後の馬の様子を見る限り、すぐに大事に至るようなことはなさそうでしたので、少しだけホッとしました。今後、どういう診断が下るかですが、今はまた元気に走る姿を見せてほしいと祈るだけです。

天皇賞・春を制したC・ルメール騎手とジャスティンパレス(撮影・加藤哉)
天皇賞・春を制したC・ルメール騎手とジャスティンパレス(撮影・加藤哉)

最初の1000メートル通過は59秒7。3200メートルの長丁場でやや重と考えても、飛び抜けて速いペースというわけではありません。大外枠からハナを奪ったアフリカンゴールドが1周目の直線で失速して競走を中止し、そこからハナに立ったタイトルホルダーも2周目4角で中止。単純に展開、ペースで止まったのではなく、アクシデントが重なったということでしょう。

その中で勝ったジャスティンパレスは、序盤は中団で折り合い、向正面に入ってから外へ出せる態勢を整え、3角の下りを利用してスーッと加速して突き抜けました。さすがルメール騎手です。“淀の長丁場はこう乗る”。3年ぶりの京都開催で、その定石を思い出させてくれました。

4角出口で抜け出すジャスティンパレス(中央)(撮影・白石智彦)
4角出口で抜け出すジャスティンパレス(中央)(撮影・白石智彦)

馬は昨秋の神戸新聞杯を勝った時に、なんと強くなったなと思いましたが、前走・阪神大賞典での+16キロの馬体を見て、一段と良くなったと思いました。ただ、見ばえでいえば、ともに走った半兄アイアンバローズ(13着)の方が上です。兄は気性面に難しさもあるようですが、馬体はほれぼれします。それだけ、弟ジャスティンパレスもまだ成長の余地を残しているのだと思います。兄のような体になれば、もっと能力も上がるのではと思います。

ディープボンドは3年連続の2着。阪神大賞典(5着)はあんな負け方をする馬ではないのにと思っていましたが、今回のマイナス10キロを見ると、いくらか太かったのでしょう。たたいて仕上げた陣営に拍手ですし、どこかでG1を勝ってほしい1頭です。3着シルヴァーソニックは7歳にして目覚ましい活躍です。レーン騎手と手が合うのでしょう。出走馬で最も長く脚を使った、強い内容でした。(JRA元調教師)

右から天皇賞・春を制したジャスティンパレス、3着シルヴァーソニック、2着ディープボンド
右から天皇賞・春を制したジャスティンパレス、3着シルヴァーソニック、2着ディープボンド

 [2023年05月01日]

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