グランアレグリア桁違いの瞬発力 成長が本格化要因
<坂口正大元調教師のG1解説>
<マイルCS>◇22日=阪神◇G1◇芝1600メートル◇3歳上◇出走17頭
1番人気グランアレグリア(牝4、藤沢和)がG1・3連勝で、牝馬では26年ぶり2頭目の春秋マイルG1連覇を果たした。
◇ ◇ ◇
桁違いの脚でした。グランアレグリアの瞬発力はすばらしいですね。直線に向いてしばらく進路がありませんでしたが、ルメール騎手はまったく慌てません。あの馬のすべてを頭に入れていますので、どこかが開けば大丈夫、そんな感じでした。外に出せたのはラスト200メートルを切ってからでしたが一瞬のうちに前の2頭を抜き去りました。とはいえ、インディチャンプ、アドマイヤマーズという複数のマイルG1を勝っている強豪牡馬2頭です。簡単にかわせる相手ではありません。桁違いでした。
スタートを決めた時点でほぼ関門はクリアしました。先行グループで競馬ができれば、前の馬をかわすことだけ考えればいい、そういう馬です。スプリンターズSの時に申しましたが、マイルの方が安定して強い競馬ができるタイプ。上がりの競馬も向きました。
これでG1・3連勝。要因は成長でしょう。昨年暮れの阪神C(474キロ)から馬体重は28キロ増(今回502キロ)。牝馬が調教で鍛錬しながら30キロ増やすには、落ち着くことが必須です。イライラがなくなり、競馬に集中できるようになったことが本格化の要因です。さすがは藤沢和厩舎。普段からいろんな工夫をしてきたのでしょう。それにしても、牡馬相手のG1を3連勝ですから値打ちがあります。アーモンドアイを破ったのもうなずけます。
一方で、3歳牡馬サリオスは5着と苦戦しました。大外枠が響いたのもありますが、上がりは最速ですから、もう少しいい位置につけてほしかったという思いはあります。また、3歳牝馬レシステンシアは8着。この結果だけを見ると、3歳馬はまだまだか・・・となりますが、コントレイルとデアリングタクトが今週末のジャパンCで、アーモンドアイを筆頭とする古馬を相手に、3歳世代の牡牝のトップとしてどんな競馬を見せるのか、ますます興味がわいてきました。(JRA元調教師)
インディチャンプとの叩き合いを制止したグランアレグリア(中央)
[2020年11月23日]
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