坂口正大元調教師のG1解説 トップ眼

アーモンド敗因はゲート出遅れ“競馬に絶対はない”

<安田記念>◇7日=東京◇G1◇芝1600メートル◇3歳上◇出走14頭

G1馬が10頭出走しても勝つのは1頭です。簡単なことではありません。アーモンドアイが敗れるたびに“競馬に絶対はない”と思い知らされること自体が、アーモンドの強さを物語っているのでしょう。

大きな敗因はやはりゲート、出遅れです。開く前に一瞬、青帽が前扉に突っ込むところが見えました。タイミングが合わなかったのでしょう。二の脚で中団には付けましたが、前走のヴィクトリアMに比べればかなり後ろ。相手を考えても痛い出遅れでした。他の馬よりゲートを速く出る必要はありません。ですが、少なくとも五分に出る。これは競馬において非常に重要です。アーモンドのように抜けた馬でも、です。

それでもルメール騎手は冷静に導き、直線では外からいい脚でインディチャンプはとらえました。ですが、まさかその2馬身半も前に、まだ1頭いるとは・・・。G1を7勝する間には当然、強い“後輩”も出てきます。自身が力を維持していても、匹敵する、あるいは超えてくる後輩がどの世界でも現れるものなのです。

勝ったグランアレグリアは昨年の桜花賞で、その1年前にアーモンドが打ち立てたレースレコードを破って勝利しています。当時、私も「少なくともマイルではアーモンドに匹敵する能力があることをこの時点で示した」と記しました。その後は気性の難しさもあり、成績にむらがありましたが、今回の折り合いには大きな成長が見て取れました。まして、前走で1200メートルを使った後です。もっと行きたがると想像していましたが、あれだけ折り合えばアーモンドより速い上がりを使えたのも納得です。もちろん、これまでオルフェーヴルなど難しい馬に乗ってきた池添騎手の手綱も見事だったと思います。

史上初の芝G1・8勝目が見られなかったのは、やはり残念です。ですが、アーモンドはまだG1を走ると思いますし、走ってほしいと願います。いちファンとしては、新記録への挑戦をもう1度見られる、楽しみが先に延びたと思っておきます。(JRA元調教師)

安田記念、スタートで出遅れたアーモンドアイとC・ルメール騎手(右から2人目の青い帽子)(撮影・丹羽敏通)

安田記念、スタートで出遅れたアーモンドアイとC・ルメール騎手(右から2人目の青い帽子)(撮影・丹羽敏通)

安田記念のレース映像を見つめる国枝師(左)とC・ルメール騎手(右)

安田記念のレース映像を見つめる国枝師(左)とC・ルメール騎手(右)

 [2020年06月08日]

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