坂口正大元調教師のG1解説 トップ眼
ルメールがスタートから15秒で読んだ前崩れの流れ
<坂口正大元調教師のG1解説>
<フェブラリーS>◇21日=東京◇G1◇ダート1600メートル◇4歳上◇出走16頭
スタートから15秒ほど、1ハロンを過ぎたあたりでした。ルメール騎手はカフェファラオをじわーっと好位へ下げました。ハナに行けるくらいの好スタートを決め、実際に行ってもいいタイプの馬ですが、周りの出方を見て下げました。
前後半800メートルずつのラップは46秒5-47秒9。前半が1秒4も速い、ハイペースでした。前日から前残りが目立った東京ダートですが、結果的に1列目の馬は勝ち負けに加われていません。ルメール騎手の頭には、遅ければ行く考えも当然あったと思いますが、わずか15秒ほど、いわばスタートして瞬時に、前崩れの流れを読んだのでしょう。それが最大の勝因でした。
カフェファラオはこれまでの戦績から、もまれ弱い面があり、果たして内枠はどうかと思いましたが、問題なかったですね。チークピーシズやクロス鼻革といった馬具を工夫し、実際に着けて調教し、鞍上がいいと判断して着けたままでレースに臨みました。効果があったのでしょう。さすがはG1常連の堀厩舎です。
くしくも21日の未明に、2頭の日本馬がサウジアラビアで勝利を飾りました。芝だけでなく、日本のダート馬も間違いなく世界レベルに達しています。4歳のカフェファラオも当然、これから世界で戦う1頭になるでしょう。楽しみです。
2着のエアスピネルは、鮫島駿騎手が速い流れの中でしっかり脚をため、末脚を存分に引き出しました。もともとクラシックで活躍した素質馬ですし、ダート適性もあったのでしょう。8歳ですが、1年の休養も経験しており、まだまだ馬は若いですね。3着ワンダーリーデルも8歳馬。末脚はいつも確実で、展開がはまればここまで来るだけの脚があったということです。(JRA元調教師)

フェブラリーSを制したカフェファラオとC・ルメール騎手(撮影・丹羽敏通)
[2021年02月22日]
おすすめ情報PR
お問い合わせ
03-5931-4114(平日10〜18時)
◆ご注意 メールでお問い合わせの方は上記アドレスからのメールを受信できる設定にしてください。回答の返信メールが届かないケースが多く発生しております。ご注意ください。また、ニッカンID以外のログイン及び決済関連については、各関連会社へお問い合わせ下さい。