ケイバラプソディー

「コロナ禍みんなでがんばろう」中山パドック熱い思い

今週の「ケイバラプソディー ~楽しい競馬~」は、中山競馬場パドックに掲げられているメッセージに込められた思いに迫った。

   ◇   ◇

何かと不自由な時代だ。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2月29日から無観客競馬となって半年以上がたった。少なくとも10月4日まではファンのいない競馬が続くことが発表されており、秋G1開幕戦のスプリンターズSも歓声のない中山で行われる。プロ野球、Jリーグでは段階的に入場制限が緩和され、地方競馬でも各地で入場再開しているが、中央競馬のファンがレースを楽しめる手段は映像とラジオ中継のみに限られている。

しかし、お気づきだろうか。もどかしい現状に対して競馬ファン、関係者を鼓舞するメッセージが発信されていることを。中山競馬場のパドックには、こんな文言が掲げられている。

「コロナ禍 みんなでがんばろう」

通常開催時はファンの申請により、人馬を応援する横断幕が掲示されるスペース。各レース発走前に出走馬が周回するたびに、黄色の文字を確認することができる。中山馬主協会が8月下旬にJRAに申し入れ、今開催から掲示が始まった。

わずか13文字に、熱い思いが込められている。中山馬主協会に所属するオーナーは約480人。理事会も会議も開けない状況で、同協会の西川賢会長(72)が立案した。西川会長は「パドックが無観客でさみしいですからね。他のスポーツは観客を入れ始めましたが、(中央)競馬はまだファンが見に来られない。騎手たちもマスクをして写真に写り、馬主は口取りで愛馬の手綱を取ることもできない。でも、競馬は開催を自粛することもなく、みんなが今まで頑張ってきました。頑張るということは、我慢するということ。もう少し頑張ろうよ、と。短い言葉でそれが伝わってくれれば最高かなって思います」と胸の内を明かした。

JRA全10場では中山競馬場だけで行われている演出だ。これに呼応してJRAも先週からパドックを装花し、華やかさを出すようになった。同会長は「50年以上馬主をしていて中止はたくさんあるけど、無観客は初めて。馬場はグリーンのステージ。そこをサラブレッドが走るわけですから。お祭り騒ぎのような歓声がないのは、騎手や関係者もさみしいと思います。少しでも張り合いが出てくれればいいですね」と話す。

最後に西川会長は「早く元通りになってほしいですね」と、全員の総意を代弁した。今、競馬はみんなの“頑張り”の上に成り立っている。出口のないトンネルもなければ、明けない夜もない。だからこそ胸に刻みたい。「コロナ禍 みんなでがんばろう」-。【松田直樹】

中山競馬場のパドック、馬頭観音前には中山馬主協会が出した「コロナ禍 みんなでがんばろう」のメッセージが掲げられている(撮影・酒井清司)

中山競馬場のパドック、馬頭観音前には中山馬主協会が出した「コロナ禍 みんなでがんばろう」のメッセージが掲げられている(撮影・酒井清司)

 [2020年09月29日]

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