ケイバラプソディー

無観客の現実・・・観戦エリア限定など前向きな議論を

新型コロナウイルスの影響で、中央競馬も2月29日から無観客開催が続いている。マイナス余波は、競馬場周辺の飲食店にも及んできた。今回の「ケイバラプソディー ~楽しい競馬~」では、他競技も担当してきた木村有三記者が、無観客の現実を目の当たりにした「今の思い」を書いた。

 ◇  ◇  ◇

無観客開催となって、はや3週が過ぎた。阪神競馬場で取材だった先週土曜の仕事後、東京から来ていた木南記者を連れて、向かった店がある。競馬場最寄りの阪急仁川駅すぐにある「讃岐ダイニング&ホースバー フランケル」。ミシュランのビブグルマンにも掲載された店で、普段の競馬開催日なら人であふれているのだが、この日は空席があった。「売り上げは例年の3割減です・・・」と原田圭祐店長は嘆いていた。

毎年3~4、6、9、12月に開催がある阪神だが、同店で最も来客数が多いのが春のこの時期だという。「トライアルが行われて、G1前のワクワク感がありますから」。いわば“かきいれ時”なのに、不運にも無観客になってしまった。「いつから通常に戻りますか?」。切実な逆質問にこちらも答えに窮してしまった。

新型コロナウイルスの影響は、今や世界中に広がっている。野球のMLB、バスケットボールのNBA、サッカーの欧州主要リーグ、ゴルフのマスターズと、各競技とも最高峰の舞台が延期、中止になっている。僕はこれまで、プロ野球、ゴルフ、大相撲、ボクシングなどいろいろな競技を担当してきたが、これほど先が見えない事態は、経験したことがない。

9年前の東日本大震災発生時は、米国でゴルフを取材していた。多くの外国人から「大丈夫か」と心配されて不安になりつつも、石川遼ら取材対象者の「1人でも多くの人々に勇気を与えられるように頑張りたい」という言葉で前向きになれた記憶がある。だが、今回のコロナ余波では、アスリートの多くが、活躍の舞台を失ってしまった。

そんな中で、無観客ではあるが競馬は開催を続けている。オジュウチョウサンで阪神スプリングJを制した石神騎手は「できれば多くのみなさんに見ていただきたいレースでした」と話していたが、テレビを通じて感動したファンも多かったはず。人々の心を揺さぶることができるのは、開催しているからこそだろう。

今後も予断を許さない状況は続く。それでも、大阪府の吉村知事が「コロナの特徴を踏まえた上で、社会活動を取り戻していく重要な時期」と話したように、換気の励行などを条件にイベントを再開する動きも出てきた。競馬場でも、観戦エリアを屋外のみにして会話はできるだけ控えてもらうなど、少しずつでも前向きな議論が出てきてもいいのではないだろうか。もちろんファンの安全、健康確保を第一に、できるだけ早い通常開催復活の日を待ちたい。

無観客で行われた2月29日の阪神競馬

無観客で行われた2月29日の阪神競馬

 [2020年03月17日]

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