香港カップG1

香港・シャティン競馬場
8R 芝2000メートル、午後5時10分(現地時間4時10分)発走。

西日を背にウインブライトが輝いた。馬なりのまま4コーナーをまわって直線へ。外から迫った地元期待のライズハイを競り落とすと、内から強襲したアイルランドの「鉄の女」マジックワンドを退ける。「絶対に負けない」。大歓声の中、先頭でゴールに飛び込むと、鞍上の松岡は左手を突き上げた。ゴール前では畠山師、木場迫助手、野木厩務員が「やったー」「よっしゃー」、大声を上げながら抱き合った。

外国調教馬初の「同一年クイーンエリザベス2世C&香港カップ」制覇。秋2戦の敗戦で評価を落としていたが、目標にしていた一戦を確実にモノにした。「パドックでまたがったときに春と同じくらい具合がいいのを感じた。これは負けられないと余計に緊張しました」。鞍上は苦笑いで振り返った。出国前も香港到着も他の日本馬とは時間をずらして馬場へ入った。調教の工夫もブライト復活の大事な一手。畠山師は「天皇賞・秋を外枠で好走したことが生きたと思うし、状態は本当に良かった」と最高の走りを見せた人馬をたたえた。

表彰式では地元ファン、日本から応援に駆けつけたファンが「松岡」の名前を連呼。「最後に勝つことができて良かった。日本人騎手は自分だけ。魂を見せられたかな」。有言実行の勝利をつかみとった鞍上は優しくほほ笑んだ。

有馬記念にも登録を行ったが、参戦の可能性は低く、狙うは来年4月のクイーンエリザベス2世C連覇。「このコース形態が合っている」と松岡は胸を張り、「呼ばれればぜひ来たい」と畠山師も力強く応じた。地元馬を含めても05年ヴェンジャンスオブレイン、14年デザインズオンロームに続く史上3頭目の偉業。「勝出光采」が香港国際競走の歴史に輝かしく、その名を刻んだ。【木南友輔】

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2018年のVTR

前年の覇者タイムワープと、その全弟グロリアスフォーエバーの出方に注目が集まったが、先手を取ったのはグロリアスでタイムは2番手。直線に入っても兄弟2頭の競り合いが続いたが、日本のディアドラが伸びて2頭の間に割って入った。結局、1着は重賞初制覇がG1となったグロリアスフォーエバー、2着ディアドラ、3着タイムワープ、4着は日本のサングレーザーだった。

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