凱旋門賞G1

10月4日(日)午後11時05分(現地時間午後4時05分)発走予定 パリロンシャン競馬場
2400メートル(芝)3歳以上 斤量4歳牡馬59.5キロ、3歳牡馬56.5キロ(牝馬はそれぞれ1.5キロ減)

日本馬ディアドラ(牝6、橋田)は発馬がひと息で最後方から。馬群一団となった直線で懸命に追ったが、伸びを欠いて8着に敗れた。勝ったのは昨年の3着馬ソットサス(牡4、JCルジェ)。史上初の凱旋門賞3勝目を狙ったエネイブル(牝6、J・ゴスデン)は6着に敗れた。また、A・オブライエン厩舎の4頭が出走を取り消したため、ジャパンに騎乗するはずだった武豊騎手は残念ながら参戦できなかった。

発馬を決められなかったディアドラは最後方からの戦いを余儀なくされた。逃げ馬不在のメンバー構成。スローの流れに馬群は一団となっていた。最後の直線は内めに進路を探しながら追い上げようとしたが、悪い馬場に思うような加速はできない。かろうじて3頭をかわして8着に敗れた。

今週の本追い切り、ゲート練習にもまたがりパートナーの感触をつかんでいたスペンサー騎手は「状態は良かったが、やっぱり馬場ですね。田んぼみたいな馬場でした」と振り返った。

コロナ禍の欧州で戦い抜いた。昨年は8月に英ナッソーSで海外G1初制覇。さらに愛チャンピオンS4着、英チャンピオンS3着など年間を通じ、欧州最高峰の舞台で結果を出し続けた。だが、今年は始動戦となったサウジアラビア遠征(モハメドユフスナギモーターズC2着)の後、パリロンシャン競馬場の試走として予定していたガネー賞に出走がかなわず、エクリプスS(5着)、連覇のかかったナッソーS(最下位7着)と苦戦が続いた。それでも陣営の気持ちはブレなかった。「カイバやトレーニングの内容を見直し、メンタル面でもフィジカル面でもフレッシュな状態になるように努めてきました」(橋田助手)。この一戦に向け、懸命に立て直した。
凱旋門賞はこれまでに欧州調教馬以外の馬が勝ったことがない。昨春から英国のニューマーケットに滞在し続けたディアドラは、その歴史の扉を開く努力を常に続けてきた。不良馬場で3歳牝馬ラブが取り消し、直前には禁止薬物の飼料混入問題で武豊のジャパンを含むA・オブライエン厩舎4頭が出走を取り消すなど、戦前から波乱含みだった今年の凱旋門賞。日本からの遠征がかなわない中、日本馬代表として世界に示した存在感は、たとえ敗れても色あせない。

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2019年のVTR

前哨戦フォワ賞を勝った9番人気ヴァルトガイストが、1番人気の絶対女王・エネイブルの3連覇を阻止した。
好スタートを決め、徐々に位置取りを落ち着かせて中団で待機。残り300メートルで馬群大外へ持ちだすと、豪脚を発揮した。ラチ沿いからゴールを目指すエネイブルを離れた外から差し切り、重賞連勝で頂点に立った。勝ちタイムは2分31秒9と、馬場状態を考えれば素晴らしい時計。手綱を取ったブドー騎手は、これが初の凱旋門賞制覇だった。エネイブルは1馬身4分の3差の2着。3着にはさらに1馬身4分の3差で3番人気のソットサスが入った。

日本馬はキセキの7着が最高。ブラストワンピースは11着、フィエールマンは最下位12着に敗れた。日本が誇る3頭のG1馬だったが、日本とはまるで違う重い馬場に脚をとられ、どの馬も伸びを欠いた。また、武豊騎手が騎乗したソフトライトは後方から脚を伸ばして6着だった。

JRAが発売した馬券の配当はヴァルトガイスト(9番人気)の単勝が3440円。馬連1560円、馬単6570円、3連複2490円、3連単は3万2990円だった。