【浦和】引退後は「キャンピングカーで日本1周したい」 岡田師今日最後の出走

「中学を卒業して次の日には浦和の厩舎に下乗りで来たんだ」と岡田一男調教師(76、写真)。63年3月から始まった長い競馬人生に今月いっぱいで幕を下ろす。

一番の思い出の管理馬はスピードドルフ。「自分で牧場に行って見つけてきたんだけど、立ち上がったりで性格が悪くてね。自分で担当していたんだ」。92年のテレビ埼玉杯で重賞初制覇。ただ師にとってはその次走、首差2着に敗れたダイオライト記念が印象深いようだ。「ハナに立つのが早すぎてね。前に馬がいるとすごく走るんだけど、1頭になるとソラを使って。あれは悔しかったね」。

その悔しさも晴らすかのような27日の桜花賞制覇。調教師での最後の重賞出走を勝利で飾った。「なぜかね、辞めるとなったら馬が一生懸命走ってくれるようになってね」。80年の初出走から44年、昨年はキャリアハイの40勝を記録した。騎手時代は浦和での最後の騎乗を勝利したという師。調教師でも勝利で締めるのか。今日29日の9Rブルベアマイルが最後の出走だ。

歌が好きで“岡一男”の名前でカラオケ大会にも出場していたという師。引退後は「長く休んだことがないから、キャンピングカーで日本1周したい。自由に無計画でね」と笑った。【牛山基康】

岡田一男調教師
岡田一男調教師