トキノノゾミが佐賀・たんぽぽ賞制す

無観客競馬初日の佐賀競馬場から吉報が届いた。2月27日に行われた九州産馬限定のJRA交流たんぽぽ賞(3歳、1400メートル)を川崎から遠征したトキノノゾミ(牝、八木喜)が制した。中央馬の出走条件は1勝クラス だが、地方馬はオープン。全国交流の重賞として実施されている。宮崎産の同馬は九州1歳市場でJRAに落札され、宮崎育成牧場で育成。昨年のブリーズアップセールで「トキノ」の冠名で知られる田中準市オーナーに落札された。昨年7月5日に川崎でデビュー戦を快勝。それ以来の勝利が重賞制覇となった。

たんぽぽ賞に南関東所属馬が出走したのは初めて。手綱を取った酒井忍騎手(47)も佐賀競馬場はこのレースが初騎乗だった。「馬も初馬場で初右回り。こんなにうまくいくとは思わなかった。行ってよかった」とニッコリ。前走でブリンカー効果を感じていたため、オーナーからの佐賀行きの話を快諾した。「輸送も平気だったらしいですよ。当日の馬体重も1キロ増。また夏に行くかも」。古馬相手の霧島賞も視野に入る。

当然、ファンのいない表彰式もいち早く経験。インターネット中継向けの優勝騎手インタビューは数人の関係者を前に行われた。「競馬中は気にならなくても、終わってから誰もいないのはね。早く収まってくれないと・・・」。今年のたんぽぽ賞は異例ずくめのものとなった。【牛山基康】

たんぽぽ賞を勝利したトキノノゾミと笑顔の酒井忍騎手(佐賀県競馬組合提供)
たんぽぽ賞を勝利したトキノノゾミと笑顔の酒井忍騎手(佐賀県競馬組合提供)