TCK女王盃を地方馬で2勝している今野忠成騎手

明日行われる統一重賞のTCK女王盃。直近16年で地方所属馬の勝利が2回ある。10年ユキチャン、12年ハルサンサン。ユキチャンは中央からの転入馬で、純粋な地方馬はハルサンサン。両馬の手綱を取ったのは今野忠成騎手だった。全22回中、南関所属でこのレースを2勝しているただ1人の騎手でもある(中央所属では戸崎、浜中、武豊がいる)。

ユキチャンは白毛で人気があった。08年関東オークスを勝ち、史上初めて、白毛馬の重賞勝利馬として歴史に名を残す。南関東に移籍してから引退までの5戦は今野が手綱を取った。

「ONとOFFの加減が難しい馬だった。強く当たるとムキになるし、やさしくするとずるさを出す。でも、力はあるから、レースでちゃんと走らせるにはどう乗ればよいか、そういうことを教えてくれた。人気はすごかった。(手綱が)僕でいいのかなという思いもあったけど、大きいレースを勝たせてくれたし、長い騎手生活(今年で26年目)でも印象に残っている。ハルサンサンは折り合いが難しかった。JRAの馬と走って勝てるかなと思っていた。勝った時は『まさか』という気持ちだった」。

今野は今年最初の重賞(報知オールスターC)を快勝。2年ぶりの重賞勝利で幸先よいスタートを切った。「いいリズムで入れた。この波に乗って、大きいところをもっと勝ちたいし、(02年~13年まで続けた)年間3桁の勝ち星も狙いたい」。2500勝騎手(20日現在2515勝)の腕は、まだまだ衰えない。【今西和弘】

川崎の今野忠成騎手
川崎の今野忠成騎手