【フェブラリーS】砂初挑戦ガイアフォースがクロフネになる 母も地方の砂重賞3勝/水島コラム

今年のフェブラリーSは混戦ムードだ。昨年のレモンポップのような中心馬不在で、伏兵の台頭も十分考えられる。水島晴之「G1の鍵 その一瞬」は、ダート初挑戦となるガイアフォース(牡5、杉山晴)に注目した。

芝では安田記念4着、天皇賞・秋5着など脚力は上位で、母父クロフネという血統背景も魅力。大駆けの可能性を探った。

7日、長岡禎仁騎手を背に追い切りへ向かうガイアフォース
7日、長岡禎仁騎手を背に追い切りへ向かうガイアフォース

ガイアフォースがクロフネになる。芝、ダートの二刀流。その可能性を秘めた馬だ。一番の魅力は「試してみたい」と杉山晴師の心を揺さぶった血統的背景だろう。母父クロフネは芝のNHKマイルCを制したスピード馬だが、ダートに転じた武蔵野Sで9馬身差の圧勝を演じ、ジャパンCダートでも、当時、砂最強と言われたウイングアローを7馬身差で破った。

01年ジャパンカップダートを制したクロフネ
01年ジャパンカップダートを制したクロフネ

また、母ナターレも11年の戸塚記念など地方のダート重賞で3勝を挙げている砂巧者。父キタサンブラックの鹿毛ではなく芦毛に出たのも、母系の血を強く受け継いでいる証拠だろう。ダート巧者としての下地は十分にある。芝でも瞬発力というより、スピードの持続力で押し切るタイプ。小倉の国東特別(芝2000メートル)を1分56秒8でレコード勝ちした時は、前半58秒0-後半58秒8でパワーも見せつけた。

22年国東特別を圧勝したガイアフォース
22年国東特別を圧勝したガイアフォース

初ダート戦が東京マイルというのも好条件だ。砂の上からスタートすると、不慣れで滑る(または脚を取られる)ケースも見られるが、今回は芝スタート。ここならゲートで失敗する心配はなく、ダートコースに入るまでに加速して流れに乗りやすい。砂をかぶらずストレスなく進めば、ラストの踏ん張りも違う。

初めてコンビを組む長岡騎手は、20年のフェブラリーSで最低16番人気のケイティブレイブ(杉山晴厩舎)をテン乗りで2着に持ってきた実績があり、相性のいいG1だ。調教には新馬の頃から乗っているそうで、馬の癖は掌握済み。クロフネから受け継いだ「砂の血」が騒げば、待望のG1制覇も夢ではない。

【ここが鍵】メンバー構成に変化

フェブラリーSと同時期にサウジCが行われる影響で、メンバー構成に変化が出てきた。昨年の覇者レモンポップ、同3着メイショウハリオ、東京大賞典を制したウシュバテソーロなど、ダート最強クラス5頭のサウジC参戦が決まり、JRA馬でダートG1を勝っているのはキングズソード(23年JBCクラシック)とレッドルゼル(21年JBCスプリント)の2頭。やや手薄な印象は否めない。

その一方、地方競馬からは南関東の3冠馬ミックファイア、昨年6着スピーディキック、NARグランプリ2年連続年度代表馬イグナイターの3頭が参戦する。さらに初ダートとなるシャンパンカラー、ガイアフォースといった芝G1級も名を連ねており、砂の既成勢力との能力比較が鍵になる。

■スピーディキック、経験が生きれば

2年連続の参戦となるスピーディキックは、昨年暮れの東京シンデレラマイルで1年ぶりの勝利を挙げた。4コーナーで他馬と接触。外へ大きくはじかれながら差し切ったように強い競馬だった。昨年は直線で前が壁になり、完全に脚を余しての6着。スムーズならと思わせる内容で、力差は感じなかった。決め手はJRA勢とも遜色ない。昨年の経験が生きれば、上位争いに絡んでくる。

■タガノビューティー、前走は度外視

タガノビューティーの根岸Sは、スタートの出遅れからリズムが悪かった。上がって行きたい3コーナーで周囲を囲まれ集中力が切れたのか、直線は左手前のまま伸び切れず。まったく競馬をしていない。あの内容を見ると、1400メートルから1ハロン距離が延びるのは歓迎。東京5勝のコース巧者で、前走を度外視して狙ってみる手はある。