いくつもギアを持つソールオリエンス うまく育てばクラシックの中心担う存在に/京成杯

<京成杯>

ソールオリエンスはいくつもギアを持っている。走りを見てそう感じた。最初のスタンド前は少し行きたがる面を見せたが、横山武騎手がなだめると向正面は6番手で折り合った。このあたりがセンスの良さ。乗り役の指示に従順で、無駄に体力を消耗しないのでしっかりためも利く。

3コーナーから軽く仕掛けていくが、すぐにトップスピードには入らない。1段階ギアを上げただけ。コーナーの途中で逆(左)手前になって大きく外へ膨れたが、左ステッキで矯正すると一気に加速。坂の上りで前をとらえる瞬発力を見せた。最後は少し余力を残しながら、2着とは2馬身半差。あれがいっぱいではない。もう1つギアを残している印象だった。

まだ、若さを見せるなど完成途上だが、その状況でこれだけのパフォーマンスが発揮できるのだからポテンシャルは高い。行く気になればハナを切るスピードもあるし、控えれば切れる脚が使える。しかも0か100ではなく小出しにできる分、小回りや馬混みも苦にしない。

あとは心身の成長。メンタルだけでなく、馬体も成長の余地を残しており、このままうまく育てばクラシックの中心を担う存在になるだろう。

ソールオリエンスと横山武史騎手(中央)が京成杯を制した
ソールオリエンスと横山武史騎手(中央)が京成杯を制した