ファルコニアを重賞初制覇へ導いた吉田隼騎手の流れを読んだ頭脳プレー/京成杯AH

<京成杯AH>

吉田隼騎手の流れを読んだ騎乗が、ファルコニアを重賞初制覇へ導いた。スタートを五分に出ると、しばらく気合をつけてポジションを取りにいく。中山1600メートルはコース形態から外枠が不利。7枠11番では意識して出していかなければ、先行策は取れない。開幕週の馬場ということもあるが、1ハロン行ったところで「遅い」と感じた。この判断が良かった。

スタートから飛び出したベレヌスの前半3ハロンは12秒7、11秒4、11秒4の35秒5。これは7R(3歳以上1勝クラス)の34秒3より1秒2も遅い。さらに4ハロン目も12秒0に減速。中団グループは「密」となり、ミスニューヨークやインテンスライトなどは、馬群をさばくのに苦労していた。2、3番手で流れに乗ったのが1番の勝因だ。

3コーナー手前でミッキーブリランテが大外をまくってきたが、すでに折り合ってリズムよく走っていたからだろう。かわされても気負わなかった。前半で少し無理をさせた分「最後はぎりぎりだった」と余力はなかったが、高速馬場では簡単に止まらない。それも頭に入れて、積極的に前へ並びかけた。4コーナーで先頭、2番手、4番手の馬が1~3着を独占した前残りの競馬。吉田隼騎手の頭脳プレーが光った。

京成杯AHを制したファルコニアと吉田騎手(撮影・丹羽敏通)
京成杯AHを制したファルコニアと吉田騎手(撮影・丹羽敏通)
京成杯AHを制してガッツポーズを決める吉田隼騎手(撮影・丹羽敏通)
京成杯AHを制してガッツポーズを決める吉田隼騎手(撮影・丹羽敏通)